KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

小説・夜を待つ少女

  二一時を過ぎた頃、わたしの街は眠りにつこうとする。昼間は街で一番のにぎわいを見せるこの交差点にさえ沈黙が訪れて夜が深くなる。そのなかで、こわれたように点滅し続ける黄色い信号のひかりをぼんやりと眺めているのがわたしは好きだった。

  通りにはほとんど人影がない。夜になると、その街の本当の姿が見えてくるような気がする。そうして、それをながめていることが小さな秘密のように思えてくるのだ。それはひどく静かで不思議な心地だった。この街とわたしとはもう長いつきあいだった。わたしはここで生まれ、ここで育った。

この街の「声」はいつもわたしの一番深いところでひびいた。「彼女」はすきとおった不思議な声をしている。

「あなたの秘密はわたしだけが知ってるのね」

『秘密よ、ヤヨイ。みんなはさわがしくってせかせかしているわたしが好きなの』

「わたしは今のあなたのほうがすき」

『ふふ。ありがとう』

 夜の彼女はとても美しい。静けさがわたしたちを満たしてとうめいにする。夜は彼女をいろどるドレスだった。

ベルベットみたいになめらかな空には星影がまたたいていて、それを時々絹みたいなうす雲がかくしていた。

 夏の彼女も美しかったけれど、わたしには冬のほうが好ましかった。りんとしたすがたに見ほれてしまう。けれど、彼女には秘密なのだ。わたしは彼女のことを何にも知らないのに、彼女はわたしのことなんか何でもお見通しだった。それがすこしだけくやしかった。わたしはわたしだけの秘密が欲しかった。本当は言えなかっただけなのだけれど。

 毎晩ジョギングに出かけるふりをして、わたしは走って彼女に会いにいく。彼女はいつも笑って待っている。わたしが息をきらして走ってくるのを見ているのがすきみたいだった。それがとてもしあわせだった。

 

       ***

 

 たまに今でも思い出すことがある。彼女と初めて話した日のことを。あれは、わたしが十歳になったばかりのある初夏の夜だった。わたしは習い事の後、暗くなってからひとりぼっちで帰るのが怖くって、毎度走って家路についた。きっと頼めば両親はむかえにきてくれただろう。でも二人とも仕事で忙しくしていて、なんとなく言い出せないままだった。

初夏とは言ってもまだ六月にもなっていなかった。だから夜になると風がすこしはだ寒い。それが余計にわたしを心細くさせた。白っぽい夏の夜空に大きな木の影がばけものように浮き上がってみえたのを、よく覚えている。

 その日、あの交差点にさしかかると、どこかからか声がした。

『ねえ』

 その声にわたしは、はやる足を止めた。聞いたことのないほど美しい声だった。けれど辺りにはだれもいない。車さえ見当たらなかった。

 気のせいだろう。

 そう思い歩き出そうとした時、ふたたび美しい女の声がした。

『ねえ、あなた』

「だれ?」

 相変わらず声の主は見えなかったけれど、不思議と怖くはなかった。

『まあ、うれしい。あなた、わたしの声がきこえるのね?』

「聞こえるわ。それがどうしたの」

『なかなかいないのよ。わたしとこうしてお話してくれるひと。昔はもっとたくさんいたのだけれど。ほんとうに、いつぶりかしら』

 彼女の声ははずんでいて、本当にうれしそうだった。

「あなたはだあれ?どこにいるの。すがたをみせて」

『あら、あなたはわたしのことをよく知っているはずよ。わたしもあなたのこと、生まれたときからよく知っているわ。ヤヨイ』

「どうしてわたしの名前を知っているの」

 わたしはおどろいて、思わず大きな声で言った。すると「声」はわたしのそんな反応を面白がるようにちいさく声を立てて笑った。そして、大切な秘密を告白するようにこうささやいた。

『あのね。わたしはこの街そのものなの』

 それから、おそれるように彼女は『べつに信じなくてもいいわ』と付け足した。

「信じるよ」

 すぐにわたしは彼女に向かってこたえていた。なぜか、その声からはひどくなつかしいかおりがした。だからかもしれない。

「お母さんが、自分の知っているものだけがすべてじゃないって、まえに言っていたから」

『すてきなお母さんね』

 この町そのものだというその声は、心地いい。自分の住んでいるこの場所の景色がそのときはいつもとちがってみえた。

「うん」

 こんなこと、いつもなら照れてしまって、なんにもいえないかもしれない。今夜のわたしはとっても素直だ、とわたしはちょっとおどろく。

『ヤヨイ』

 彼女はわたしの名前をいとおしそうに呼ぶ。それを聞いていると、わたしのほうも彼女のことを昔からよく知っているような気がしてきてしまうから不思議だ。

「なに? 」

 少し答えかたがつっけんどんになってしまう。包みこむような優しさが、むずがゆかった。

『また、こうしてお話ししてくれるかしら』

「いいよ」

 気が付くとわたしはそう答えている。知らず知らずのうちに、わたしも彼女にひかれているみたいだった。

 それからは、夜道を帰るのが怖くなくなった。太陽の下では見ることのできないこの町の姿を、月の光はかいまみせてくれるから。わたしの大切な友人のことを知っているのは、この町の夜だけだった。

 

***

 

 わたしが彼女と話せるのは夜だけだった。

 昼間はいくら呼びかけたって、答えてくれない。彼女は日中、きむずかしい町としてせわしなく働いている。そのすがたを見ていると、夜の彼女のことが夢のように思えてならなかった。

 それでも彼女がわたしの声に気がついていないときはなかった。たとえば、わたしが一三歳の頃にこんなことがあった。

「今日、わたしが呼んだのに気が付いた? 」

 夜に会ったときにわたしが尋ねると、彼女は

『ええ、もちろん』

とほほえんだ。

 彼女のその言葉が嘘でないことは、なんとなく分かっていた。わたしのほうも昼間に彼女の気配をそれとなく感じることがあったからだ。

 彼女の言葉に感心して「すごい」と声をもらすと、彼女はこう言った。

『あら、なんにもすごいことなんかないわよ。子供の声を母親が聞き分けられないはずがないわ。あなたのお母さんだってそうでしょう』

「わたしの、お母さん? 」

『そう』

 いつも口うるさくわたしをしかる母の顔が思い浮かぶ。その顔はわたしの中の彼女のイメージとは似ても似つかなかった。思わず、苦虫をかみつぶしたような気分になる。そのころは母と言い合いになることが多かった。

 自分でもなぜだか分からない。けれど何かわき上がってくるものがあって、どうしても黙っていられない。そんな感情にあのころのわたしはふりまわされていた。

「似てないよ、全然似てない」

 わたしがそう言うのを聞いて、彼女はふふっと笑ったようだった。

「どうして笑うの?」

 わたしが少しとがった声で問うと、

『そのうちわかるわ。もう少し待っていなさい』

「何が分かるの」

『わたしには教えられないものよ』

 けむにまくような彼女の台詞にわたしはだまりこんでしまう。彼女のこういう物言いは、確かに母に似ていた。

「あなたも、お母さんみたいなこと言うのね・・・」

『あなたはわたしのむすめだもの。わたしはもう一人のお母さんみたいなものかもしれないわね』

「そうなの?」

『そうよ。あなただけじゃなくて、この町に住む人みんながわたしの子供みたいなものなの』

「わたしもみんなもあなたの家族ってこと?」

 そう問いかけると彼女は温かな声でささやく。

『ええ。知っていた?ヤヨイ。家ってね、さみしいときに帰ってきたいと思える場所のことを言うのよ。そこにいると満たされて、その人があったかくなれる場所のことなのよ。わたしはそういうものになりたいといつも思っているわ』

 そのとき彼女が言っていたことの意味をわたしは正直よく分かっていなかった。ただぼんやりと、当たり前のことを口にする彼女を不思議に思っていた。

 そんなわたしを見て、彼女はまたいとおしそうに小さな笑い声を立てた。そうすると小さな照明が町のあちこちで、かすかにチカチカきらめいてきれいだった。

 こんな時がいつまでも続けばいい、とこの頃のわたしは思っていた。もっとも、彼女はそうは思っていなかったかもしれないけれど。彼女は何でも知っていたから。

『またきてね、ヤヨイ』

 別れ際、決まって彼女はそう告げた。もちろんその日もそうだった。彼女はもしかしたらずっと怖かったのかもしれない。わたしから・・・いや、人から忘れられることが。

 彼女と話せなくなった今になっても、「彼女」の考えていたことは分からない。それでも、「彼女」との約束と記憶だけがわたしの中にずっと生きている。

 たまに怖くなることがある。いつかわたしの中からも彼女はいなくなってしまうのか、と。時をへるにつれて、「彼女」とのことはおさない日のとうめいな幻になっていく。

『あいして』

 どこかで彼女の最後の願いがこだましている。あの美しい声すらも思い出せなくなる日がわたしにもくるのだろうか。

 

***

 

 その日はとてもおおきな満月だった。そのせいか、色々なもののかたちがいつもより少しだけはっきりと見えて、そこから夜の呼吸が伝わってくる。

 それを感じながら、冬の張りつめた空気をきってわたしは彼女の待つあの交差点へとかけていく。ヴェールをかけたみたいに白くて美しい夜。なんだかわたしはうれしくて、いつもよりももっとはやく走った。月の光はわたしを自由にしてくれる。

けれど、その夜に限って彼女はなかなかすがたを見せなかった。そのかわりに交差点には赤や黄色やオレンジの毒々しい照明がくるくるとまわり、「工事中につき、通行止め」という文句が大きくはりだされている。なんだかショッキングな色合いの光はとてもいやらしかった。

「おおーい」

自分の声だけがひびくことがさみしかった。その声の気配が消えないうちにまた呼ぶ。なぜだかひどく不安だった。

「おおーい」

だれもいない交差点にわたしのと息がたなびいて、あとかたもなく消えていく。

 ここよ。

どこかからか、かすかな声がきこえた。まちがいなく彼女の声だった。けれども、すがたを見せてはくれない。わたしはなんでもないような声で話しかけた。

「こんばんは。月の明るい夜ね」

そうね。こんな夜にあなたに会えるなんて、わたしはしあわせね。

そう言った彼女の声は消え入りそうにはかない。

「どうしたの、急に」

むなさわぎが苦しいほどして、そう問わずにはいられなかった。

ねぇ、もうわたしたちこんな風に会えなくなってしまうんじゃないかと思うの。

彼女に顔はなかったけれど、もしもあったなら彼女は今そっと目をふせているだろう。

「さみしいこと、言うのね」

だって、本当のことですもの。あのね、今のわたしはみにくいから、みんなできれいにしてくれるんですって。

わたしは眠れない街になるんだわ、きっと。

彼女の声には深いかなしみがにじんでいた。

「わたしは、わたしは今のあなたが美しいと思うわ、大好きよ!」

どうにかして伝えたくて、声がふるえる。もどかしかった。わたしには言葉しかないのだ。

ありがとう。わたしもあなたのことが大好きだわ。これからもずっと。

ほんのすこしの間だまりこんで、彼女は言葉をつづける。心なしか彼女の声もふるえていた。

お願いがあるのだけれど、聞いてくれる?

「何でも言って!」

わたしは思い切っていった。彼女の望むことならなんでもかなえてあげたかったから。

ヤヨイ、わすれないでね。わたしたちの秘密を。

わたしは変わってしまうから。

それからね、『わたし』のこと愛して欲しいの。今までとはちがってしまうけれど。それでもわたし自身なの。

だから、せめてみていて。

おねがいよ・・・。

それきり彼女の声はとだえて、彼女がいなくなったことが分かった。ひどくうつろできらびやかな夜だった。

「わかってるわよ・・・」

お願いとも呼べないお願いを残して消えていった大切な人に向かって悪態をつく。

夜にしずむ交差点の向こう側では、原色のつきささるようなネオンライトが涙ににじんでゆがんでいた。

世代を超えて愛し続ける不朽の名作。

今回ご紹介するのはこちら。


「夜の蝉」北村薫

創元推理文庫


こちらは、以前クロミミ的ブックにて紹介した「空飛ぶ馬」に続く、円紫師匠と私シリーズの第2巻。

「空飛ぶ馬」も好きですが、「夜の蝉」はもっと素晴らしい。

 


「円紫師匠と私シリーズ」は女子大生で本の虫な「わたし」と探偵役の落語家、円紫師匠のコンビが中心となって展開される、日常系ミステリ。

 


一見穏やかな日々の中に潜む謎を解き明かします。

 


この先生と私シリーズ、安らぐような穏やかさの中で、時折人生の真理のようなものを描いてくれる。穏やかなだけでなく、ちゃんと陰りもある。けれどもみんなある種「弁えた」人ばかりなので、なんだかシビアな場面でも安心して読める。


そんな読み味がものすごーく魅力的。

不思議な作品です。


きっと北村薫の描いた理想郷がこの作品。


静かに、しかし確実に読者を限りない充足に導くような作品を生み出してしまう北村薫の手腕はまさに見事。

 

 

この第2巻は、日常の中にある陰りが前巻より色濃く、主人公を取り巻く謎となって立ち現れます。


第2巻のキーマンは何と言っても家族。姉です。

 

クロミミには残念ながら兄弟がいないので、想像するしかなかったのですが、家族ってなんなのか、それを考えながら読むと、より一層味わい深い作品でした。


夜の蝉、とは一体何を指すのか。

その謎はきっとほろ苦く、でも甘い。


この作品を最後まで読んで閉じた表紙を眺めたときに、物語の終わりが切なくて、早く続刊が読みたいと気持ちがはやる。そんな素敵な気持ちを味わえる一冊。

 

母にこの感想を伝えた時、「あんたも大人になったね」と言われました。実はこのシリーズ、母がまだ若い頃、わたしがまだ小学生の頃に読んでいた作品なのです。

 

 

 

時を超えて、世代を超えて、素晴らしい作品の魅力は共有可能なのだなあ、と思いました。

 

皆さんも是非ご一読ください。

 

最後に気に入った本文の一部を引用して、お別れしたいと思います。

 

 

 

 


  姉は秘密の計画を打ち明けるような小さな、しかしはずんだ声で私の耳元に囁いた。

「ねえ、口紅塗らない?」

「いい」

 人形ではない。

「なにいってんのよ」

 ほんのり染まった頬に笑みが浮かぶ。

「まだいいの」

「まだいいって年じゃないでしょ。随分変わるわよ」

 姉は手を伸ばして私の後ろの水道の栓をひねった。細く水が出たらしい。白い手が横を通り、顔の前に出た。

  薬指の先が水で濡れていた。はっとした。次の瞬間、指は私の唇に触れていた。私は金縛りにあったようになり、背を流しに預け顔をしかめ目を閉じた。頭の後ろでチロチロと水の音がした。

姉は水を付け替え丹念にゆっくりと、透明な紅を私の唇に引いた。

「ーーざっと、こんな具合」

  姉の言葉に私は目を見開いた。姉は指を洗いタオルで拭きながら、軽く続けた。

「変な子、手術でもされるような顔をして」

  私は《まるで……》と心の中でいった。

  犯されたみたい、などと口に出来る筈もなかった。

 


(「夜の蝉」より一部を抜粋)

 

 

音楽がないと生きていけない。

どうしても話したくなっちゃったので今回はわたしの大好きな音楽について語っていきます。

 


需要皆無は覚悟の上です。

ご了承くださいませ。

 

わたくし、本を読むのも大好きですが、それに張るくらい、音楽を聴くのも大好き。

 


いま2700曲くらいアイポットに曲が入ってます。アイポット忘れたらその日1日いきていけないレベル。絶望感がすごいww

 

付き合ってくれる奇特な方募集中!

紹介する曲は全部大好きな曲ばかりです。

では、ジャンルごとにご紹介。


以下

バンド名

好きな曲

 


ロック(あくまでロック系というくくり)

 

BUMP OF CHICKEN


ゼロ、ハンマーソングと痛みの塔、カルマ、メーデー、ハルジオン、Hello,world!、ラフメイカー、k、ギルド


ゼロを一時期カラオケで歌おうとしていたのは懐かしい思い出。大好きなバンドです。藤くんのお声が大好きです。いつか彼の前髪の下を見たい。このバンドからわたしのロックへの道は始まったと言っても過言ではありません。


RADWIMPS(洋次郎個人でのコラボ含む)


ユメマカセ、寿限無、いいんですか?、ギミギミック、ふたりごと、閉じた光、おかずのごはん、4645、五月の蝿、おしゃかしゃま


五月の蝿が最高に好き。ギミギミックは好きすぎて一時期これだけを永遠にきいてましたw

ユメマカセを特に推します。ボーカルの洋次郎のかっこよさに悶えます。

 


ASIAN   KUNG-FU   GENERATION


荒野を歩け、リライト、ループ&ループ、アフターダーク、サイレン、Re:Re、路地裏のうさぎ、オールドスクール、絵画教室、夏蝉、十二進法の夕景


とくに、荒野を歩けとオールドスクールと夏蝉、十二進法の夕景が大好き。アジカンは多分聴きすぎて全曲歌えるレベル。声が好き。歌詞も好き。

 


ゆらゆら帝国


アーモンドのチョコレート、次の夜へ、発光体、ドックンロール、空洞です。、ソフトに死んでいる、ミーのカー、ズックにロック、夜行性の生き物三匹、ハチとミツ、いたずら小僧、3×3×3


好きな曲は結構、空洞です。とミーのカーというアルバムに集まってる感じがします。

このバンドを初めて知った時、なぜあと十年早く産まれなかったのかと猛烈に悔しがりました。なぜならゆら帝はもう解散したバンドだから。それくらいライブ盤が素晴らしくて、ライブに行きたかった。そんなバンド。


解散の理由がまたかっこいいのです。バンドとしてこれ以上のものを作ることはできないから、と空洞です。のアルバムを出した時おっしゃったそうです。


いまは、ボーカルの坂本慎一郎がソロで活動しているので、もっとゆら帝聴き込んだらそっちをせめます。


細野晴臣

終わりの季節、恋は桃色、絹街道


この人は、とにかく声がいい。声が良すぎて歌詞が頭に入ってこない。とにかく声がいい。

 


星野源

夢の外へ、くせのうた、パロディ、地獄で何が悪い、化物、恋、SUN、時よ


星野源細野晴臣に影響を受けている、というのは有名な話。最近のもすきですが、やはり個人的にはstrangerというアルバムに入ってる曲がとくにいい。名アルバムです。名前も好きですstrangerと聞くと、どうしてもカミュの「異邦人」という小説を思い出してしまいます。

結構星野源の歌詞は文学くさい。大好き。

この人と椎名林檎は声域がちょうどなので、よくカラオケの最初に歌います。


サカナクション


夜の東側、三日月サンセット、ネイティブダンサー、涙ディライト、開花、ミュージック、アイデンティティ、GO  TO   THE  future、モノクロトーキョー、蓮の花、バッハの旋律を夜に聴いたせいです、ユリイカ、グッドバイ


名曲揃い!!とにかくボーカルの一郎さんが好き。好きな曲しかなくて選びきれません。これを聴いたことがない人は人生損してます。絶対!!

多分好きな曲が多すぎてカラオケ3時間ずっとサカナクションだけ歌える気がする。

 


相対性理論


スカイライダース、スマトラ警備隊、ケルベロス夏至天地創造SOS、品川ナンバー、気になるあの娘、BATACO、人工衛星、三千万年


多分中学生くらいから聴き始めた。ボーカルのやくしまるえつこの声が好きすぎる。あんな声になりたい。スカイライダースは渋谷慶一郎とのコラボ。名曲すぎる。すごい。


この曲数から分かるように、クロミミは基本ロック好きです❤️最近はゆらゆら帝国がすき。ビジュアルで引かずに音楽を聴いてほしい。最高にサイケでかっこいい。次の夜へは一人で夜に聞きたい名曲。めちゃくちゃ癒されます。

ロック好きにはとりあえず夜行性の生き物三匹を推します。ぜひMVをみてみてください。


中高はアジカンバンプ、RADあたりをひたすら聞きまくりました。こいつらのおかげでロック好きに。だーいすき。


最近は日本語ロックやオルタナティブロックにはまりつつあります。サイケデリックロックも少し。


はっぴぃえんど、イースタンユースナンバーガールなどなど。

 


ジャズ・洋楽


ユセフ・ラティー

LOVE  THEME  FROM   "Spartacus"


ジャズの良さを再発見した名曲。夜、ドライブしながら聴くと最高✨Eastern Soundsというアルバムに入っています。オシャレで都会的なサウンドが魅力。

 


EGO-WRAPPIN

 

red shadow

GO Action

だるい

かつて・・・


かっこいいオブかっこいい。EGO-WRAPPINは俺たちを裏切らない。誰にも真似できないクールさがあると思う。


Donald  fagen(ドナルドフェイゲン)

 

I.G.Yなど。

この曲が入ったアルバムが最高。THE Night fly

という超絶名アルバムにはいっています。好きな曲しか入ってない。


ちなみに、ほかにも、

サイモン&ガーファンクル

QueenBeatles

などもよく聞きます。


その他

 


椎名林檎東京事変含む)


群青日和カプチーノ、流行、NIPPON、長く短い夜、旬、眩暈、あおぞら、ギブス、罪と罰、丸の内サディスティック


椎名林檎は、勝訴ストリップか教育(東京事変)がすきなアルバム。もともと母が好きだったので、小学校からのお付き合い。椎名林檎はわたしの神様です。カラオケでこの人の曲を歌いまくっていたら、いつのまにかシャウトできるようになっていた←だから??


よく罪と罰を歌います。毎回カラオケ一曲目は丸の内サディスティック。好きな曲かつ声域が合う曲一位。


宇多田ヒカル


光、autmatic、桜流し、あなた、colours、真夏の通り雨travelingなど。

 

宇多田ヒカルはとにかく歌詞。歌詞が素晴らしすぎる。日本人でよかったわたし。よく友達とカラオケでデュエットします。


aiko


ボーイフレンド、カブトムシ、えりあし、くちびる


アイコは元々の曲もすきですが、カバーがもっと好き。アイコイズムを感じます❤️

スピッツのチェリーやアポロをカバーしてるのが特に好きすぎて悶える。どうぞ、ユーチューブで聞いてみてください。

 


キリンジ

 


野良の虹、スウィートソウル、愛のcoda、クレイジー・サマー、ブラインドタッチの織姫、仔狼のバラッド、ビリー、ナイーヴな人々、代官山エレジーなど。


キリンジも小学生からの付き合い。大好きで、いまだによく聴きます。ちょっとマイナーだけど名曲多し。ジャジーな要素が多めです。ドナルドフェイゲンに影響を受けているらしい。


他にも色々あるけど、こんなもんですかね。

 

それではありがとうございました。

 

少女漫画って結局、テンプレートをどう味付けするかで出来が決まるよね。

 

どうも。前回の投稿で許しがたい失態を晒してしまいました。クロミミです。

 


あんな…推しに入れ忘れたんよ。「うえきの法則」と「サイケまたしても」を…。

 


ああ。死にたい。

 


あんだけ夢中だったくせに…神器全部言えるくせに…こないだアニメ全話再視聴してまたニヤニヤしてたくせに…死ねヤァ!!過去の自分!!(クロミミは渾身のストレートパンチを己が顔面にお見舞いしたっ!)

 


今更だが集いたまえ。福地翼(うえき、サイケの作者)推したちよ!!

 


ついでに言うと、「だがしかし」も「ワールドトリガー」も書き忘れた…。推し多すぎ問題っ!(ちなみにコトヤマさんの新作、「よふかしのうた」って新作サンデーで読んだけどおもろいよ。今ならサンデーうぇぶりでよめる。つーか、最近福地翼も新連載始めたらしいじゃねーか。「ポンコツちゃん検証中」まじで気になる!)

 

 


ゴホン、それでは。

仕切り直しまして。

 


第2回、少女漫画編

 

f:id:KUROMIMI:20191124102153j:image

 

前回から引き続き、漫画好きの漫画好きによる漫画好きのための推し漫画をひたすら語る会(そんなのあったの)を始めたいと思います。

 

今回も死ぬほど長いぞ⭐️


皆の衆…すきな漫画については、コメで好きなだけ語るが良いぞ…。俺はなんでもありやから…面白いのおせーて。

ちなみに、それ女性漫画じゃね?ってのもあるかもしれませんが、独断と偏見で少女漫画と女性漫画にわけさせていただきました。


女性漫画、BL、GLについては第四弾にて語ります。今しばらくお待ちを。

 

 

 

 

 

 

きみはペット  銀盤騎士    

キスアンドネバークライ      小川彌生

 


きみはペット」は昔から好きな名作。ずっと買うかどうか悩んでて、今年の夏にとうとう古本で全巻購入。多分立ち読みだけで4周は軽くしてるけど、いいんだ。好きだから。

 

有名なのであらすじ省略。

とにかくこの作家さんは心理描写が巧み。「きみはペット」のすみれちゃんがマジで好きすぎてつらい。


バリバリのキャリアウーマンなのに、読んでいて全く人ごとのような気がしない。瑣末なことで悩んでばかりいるスミレ。愛しくなってしまいます。


そして、スミレのどうしようもなさがあまりにもリアル。深刻でない、しかしどうしようもない自分の生き方に関する悩み。これはいつの世も尽きないものなのではないでしょうか。

 

コミカルに、しかし端的に現代の私たちのあり方を映し出すこの漫画はまさに名作。

 

ドラマは旧作の方が断然好きです。小雪がハマり役だったな〜。


とりま、このかたのかかれる絵というか、描線が死ぬほど好き。


アイスダンスを題材とした、シリアスなサスペンス「キスアンドネバークライ」

幼馴染フィギアスケーターとの可愛い恋愛劇を描く「銀盤騎士」

レイ・ブラッドベリを思わせる、SF仕立ての連続短編「刻待ちアパートメント」

 

全て系統が違うけれど、どれも素晴らしいクオリティーで完成されています。小川さんの作家としての引き出しの多さには感服!


余談ですが、わたしと文学の好みも似ている気がします。それもあって余計楽しいのかな?

 


以前「鏡の国のアリス」を読んでいて、ここいいなって書き出してた部分が、「きみはペット」でまるっと引用されててびっくりしました。

 

きっと教養の深い人なんだろうな〜。

 

 

 

 

 


「王子が私を諦めない!  」アサダニッキ

 

この作者さんも大好き😘「青春しょんぼりクラブ」「恋とヒミツの学生寮」「星上くんはどうかしている」「ナビガトリア」全部面白いっ!!この人のはだいたい全部読んでます。

 

「王子が私をあきらめない」のあらすじはこんな。

 

主人公、吉田小梅はおじいちゃんが宝くじを当てたことをキッカケに場違いな超金持ち高校に入学することに。


そこでまっていたのは、女子トイレにて🚽一人便所飯(日の丸弁当)する至高のイケメンにして学園の王子かつスーパーセレブ、一文字初雪(いちもんじはつゆき)?!


どうやら初雪は小梅に恋をしてしまったらしい。


ありえない事態に、目を白黒させながら泡食う小梅だが、学園の王子の猛攻にもはや陥落寸前?!

どうなる小梅!

 


結構簡潔に書いたつもりなのに、初雪パイセンの肩書きがウルセェww

もうギャグモリモリで、ラブコメなのか、ギャグなのかわからなくなるレベル。

この人はギャグセンス輝きすぎてもうやばい。絵柄も可愛くて安定してるので、安心して読めます。

 

 


風光る」   渡辺多恵子

 

小学生から大好きなこの作品。おんなじ作者の「はじめちゃんが一番!」も全巻読みたいんだけど、流石に古すぎて全然古本屋に置いてない。電子で買うか、ガチで悩み中。

 

 

風光る」のあらすじはこんな。


舞台は江戸時代末期。黒船来航以降、国は乱れていた。そんな時代、壬生浪士組ーーーのちの新撰組にひときわ若い少年が入団を志願し、入団試験を受けていた。

 

名前は清三郎。年は15だというが…?

剣技は拙いが、並々ならぬやる気を買われ無事入団することが決まった清三郎。世話役はかの有名な剣士、沖田総二となった。


だが、清三郎には秘密があった。

彼は少年ではなく、実は少女ーー。肉親を倒幕派の志士に斬られた恨みを晴らすため、性別を偽り、入団したのである。


少女の本名はセイと言った。

セイは唐突にすべてをうしなったーーー。


父は開業医であった。斬られたのはなんらかの企みがあると疑われた結果だった。


無論、セイの身も危うかった。


しかし、それを救うものがあった。それこそが壬生浪士組一番隊隊長ーー沖田だったのだ。

 

セイの抱える事情をとあることから、早々と知ることになってしまった沖田はセイの秘密を共に守ることになるのだがーーー?!

 


とにかく、本当に主人公のセイがかっこよすぎ!まっすぐで飾り気がない。男よりかっこいい女の子です。


しかし、しっかり乙女なところもあり、すっ

ごく可愛い❤️彼女の心の動きにきゅんきゅんきてしまう!


しかも、この作品のいいことろはきちんと血なまぐさい部分を少女漫画にもかかわらず、本当にしっかりと書いているところ!


最近の戦う女の子というと、苦しむ場面はあまり描写されず、突然無双し始めたりとかもありますが、そういうことは一切ない。

彼女が必死で血反吐を吐きながら(ガチめに吐く。誇張なく)強くなろうともがく姿は美しく、そして人間味がある。


何よりいいのは、師範役であり、恋愛の相手役を務める沖田総司

この人が半端なく強くて、半端なく鈍い。ここまでの朴念仁を描くとは作者様はなかなかのドS。しかし、これも志に全てを捧げる「武士」であるがゆえ。この根幹が決して揺るがないので、説得力のある鈍さなのです。


他にもたくさんの魅力的なキャラクターがいて、本当に飽きるということがありません。長いのに蛇足がないのは本当に名作の絶対条件の一つではと。一度足を踏み入れれば、きっと一気読みしてしまうはず。個人的に一番好きなのは、ベタですが土方歳三


自分の信じるものにどこまでもまっすぐな二人が織りなすラブストーリー。緻密な心理描写でどこまでも引き込まれてしまうこと請け合い。かなり時代考証もしっかりされた作品です。

 

 

 

 

「まちでうわさの天狗の子」    岩本ナオ

 

すでに完結済みな作品。実は作者がわたしと同じ岡山県出身。


可愛いほっこりした絵が特徴的な方です。個人的には漫画としての見せ方がめちゃくちゃうまいと思う。他作品もあります。「マロニエ王国と七人の騎士」「金の国 水の国」「雨無村役場産業兼観光係」どれも最高でした。


きっかけは作者の出身地だったけど、やばく神なこの作品。

多分人生上で1・2を争うほど好き。高校の時買って以降、読み返しまくっているのです。

(通常クロミミは漫画を最低でも10回は読み返します。この漫画は一体何周めか…もう覚えてません。)

 

あらすじはこんな。

 


主人公の刑部秋姫(おさかべあきひめ)はごくごく普通の恋する女の子。もうすぐ高校生だけど、好きな男の子に告白もできないまま。

 

しかし、秋姫には一つだけ普通でないところが。それは、お父さんが地元の康徳神社の天狗👺康徳坊であること。だから秋姫も普通のよりもかなり力持ちだったり。


普通になりたい。

 

それが秋姫の願い。

しかし、秋姫の幼馴染で山で天狗の修行中の瞬ちゃん(秋姫と同い年の男の子)は秋姫に天狗の修行をするよう、いってくる!

 

でもでも、そんなのかまってらんない!わたしは普通になりたい!と、入った高校で待っていたのはなんと、瞬ちゃん?!


瞬ちゃんはどうしても山に入らない秋姫の護衛として高校に通うことになったらしい…。


一体秋姫の高校生活はどうなっちゃうの?!

 

 

と、こんな感じで序盤はなかなかコミカルですが、後半はかなりシリアスな展開も。後半に行けば行くほど序盤の伏線にしびれます。

 

先程は絵柄が特徴的だといいましたが、この作者のすごいところはそこだけじゃない。唯一無二の世界観、魅力的なキャラ、クスッと笑ってしまうギャグセンス。独特なリズム感。どれを取ってもピカイチなのは確か。


しかし、一番はやはりテンプレートへのアプローチの仕方ではないかと。天狗の子を読んでいると、あっ。これテンプレートだな、と感じることが本当に少ない。いや、テンプレートな部分はある。しかし、テンプレートな展開だと感じさせない「うまさ」があるのです。

 

少女漫画、女性漫画は詰まる所、テンプレートをどう味付けするか、どう利用するかという点に作品のクオリティがかかっているといっても過言ではない、と思っています。

 

だからこそ、しばしば登場人物の心情や行動が必然性ではなく「テンプレートだから」という理由で引き起こされているような印象になりがち。これは人物間の関係性もそう。

 

「天狗の子」の凄さは、きちんと登場人物の心情に沿って物語全体が隅々まで構成されていると感じられる点です。


だからこそ、人物間に強烈な対比もなく、誰か一人が強引に物語や関係性を押し進める役割を担うこともない。全てが丁寧に丁寧に描かれている。

 

この繊細さには思わず息を飲んで見入ってしまう。まるで実際の世界を覗き見ているかのようにリアル。

 

わたしにとって、ある意味「町でうわさの天狗の子」は王道少女漫画のひとつの理想形なのです。

 

必ず死ぬまでに読んでほしい一冊に推します。

 

 

 

 

天童家物語   斎藤けん

 


ダークな世界観が魅力的なこの作品。この方は他にもたくさんの魅力的な作品を書かれています。


「かわいいひと」「プレゼントは真珠」「さみしいひと」「花の名前」など。この中だとわたしは「プレゼントは真珠」が特に好きです。真珠さんがかっこよくて可愛くて最高✨(ちなみに「真野さん」は読んだことない。)

 

あらすじはこんな。

 


時は大正時代。

少女はある時、一人の美しい女を助ける。聞くと、嫁ぐのが恐ろしくて入水自殺を図ったという。

 


女ーーー「北条蘭」が嫁ぐ先は悪い噂の絶えない「天堂家」。少女は女を救うため、北条蘭の身代わりとして屋敷へと嫁ぐことに。

 


そこで出会った麗人、雅人に名もなき少女は言った。「人を助けて死にたい」と。


人の闇をここまで魅力的に描き出す作者もなかなかいない気もします。(少なくとも、少女漫画の領域では。これはもともと掲載していた雑誌のターゲットに関係しているのやも。途中で移籍したので)「天堂家物語」は特にねっとりとした情念が良い。


相手役の雅人様が歪んでて良き。ゾクゾクきます。まあ、それ以上に天堂家の連中が狂ってるんですが。身代わりの少女(作中では「らん」と呼ばれます)もなかなかどうして闇深い。


まっすぐて純粋で汚れないだけに、らんから発される言葉には偽りがなく迫力があります。


そんな人物に「人を助けて死にたい」と言わせるなんて…何というドS!


最高です。


とりあえず、俺様系とかクラシカルでダークな雰囲気が好きな人はぜひ読んでみてください。


これが好きな人はリカチの「明治緋色奇譚」「明治メランコリア」とかも好きじゃないかな。こちらは俺様系男子ではないけど。(ヒーローの津軽は自由奔放読めない系男子。どっちも好きだよ💕)

 

 

 

 

 


スキップ・ビート!」   中村佳樹


もう40巻を突破して長く続いてる業界系少女漫画。


主人公のキョーコは芸能人の幼馴染に弄ばれた上、手酷く捨てられる。復讐に燃えるキョーコはなんと自分も芸能人になってしまうのだった!

 

まじで死ぬほど好きです。ちなみに、前作の「東京クレイジーパラダイス」も好き❤️(クレパラはライン漫画で一回、古本屋の立ち読みで二回読破。かなり好きなギャグコメディ。)


絵が特徴的なので、読むのをためらう人もいるかもしれません。


しかし、そんな理由で読まないなんて!もったいないにもほどがある!わたしなんか、読み始めたの遅くて猛烈に後悔したからね!!!


いいか、お前ら。

黙って1秒でも早く読み始めるのだ!!それが使命と心得よ!!!

(↑だまれ。)

 

 

ちなみにアニメ化もされてます。結構いい。

エネルギッシュな推進力がとっても魅力的な作品。キャラクターに力があって、二度と忘れられない強烈さ。


とっても長いのに冗長さを全く感じさせない。読む前は、あー四十巻もある〜って思ってると思う。でもな、一回読み始めてみろ。多分気がついたら読み終わってて、ふぁっっ?!ってなるからまじで。

 

わたしはスキビのコミック買うためだけに棚の面積を確保(かわいい我が子を古本屋に売り飛ばす)をしたからな!?

覚悟して、しかし迅速に読み始めるのだ諸君。

 

 

 

 


溺れるナイフ」   ジョージ朝倉

 

これはもはや文学。

とにかく挑戦的な表現にしびれます。


滴り落ちるような色気に背徳感を覚えつつ読みましょう。


あらすじはこんな感じ。


どうすればいいのかわからないけど、欲しいのはこの子だけだ――。小6の夏芽(なつめ)が越してきたのは、東京とあまりに違う田舎の町。そこで出会った一人の少年に、夏芽は自分の中の「何か」が、大きくうねるのを感じていた……。せめぎあい、追い上げ、追い込んでいく、破裂寸前の10代のこころを描いたジョージ朝倉の傑作長編!

(コミックシーモア  「溺れるナイフ」作品内容より全文を引用。)

 


ジョージ朝倉に出会えて本当に良かったと思う。

他にもたくさん素敵な作品を描いているこの人。今は、「ダンスダンスダンスール」を描いている。これも好き。


とにかく絵も美しければ、話運びもうまい。独特な色気がクセになる作者。言葉選びのセンスが本当にツボ。


漫画って、こんなこともできるんだって思った最初の漫画。

(ちなみに2回目は「月に吠えらんねぇ」です)


てか、

画像にうっかりいれわすれたぁぁぁぁ!!!

 

 

 

少女漫画これもオススメ★

 


毎日キスしていいですか、お嬢と番犬くん、好きにならないよ、センパイ。(はつはるさんのかく男子の持つ空気感が好きすぎる。おっと、香り高いクズ臭がここからも…。とくにお嬢と番犬くんは必見。パルシィで読めるぞ。パルシィで読めるのに電子で買ってしまった。一気読みしたくて。)、

 

 

 

 


先生の優しい殺し方、てるてる少年、マダム・プティ、ディア・マイン、ゴールデンデイズ(高尾滋さんの描く女性は芯が強くてめちゃくちゃ魅力的。個人的には「てるてる少年」が最推し。)

 


神様はじめました、忍恋、カラクリオデット、(鈴木ジュリエッタはまじで神。神様はじめました好きすぎてつらい。カラクリオデットも面白い)君に花のメランコリー、君は春に目を醒ます、魔女くんとわたし、オオカミ少女と黒王子たいようのいえ、ロマンチカクロック、猫田のことが気になって仕方がない、わたしに✖︎✖︎しなさい!、かみかみがえし、学園アリスとなりの怪物くん

 

 

 

女王の花コールドゲーム、ニの姫物語、メンズ校、そんなんじゃねぇよ、(和泉かねよしはいいファンタジーを描くなあ。としみじみ思う。しかし、絵はあんまり好きではない。でも夢中で読んじゃう。すげぇ。)

 


僕の地球を守って、推しが我が家にやってきた!、SBB、赤髪の白雪姫それでも世界は美しい、墜落JKと廃人教師、なまいきざかり。、砂漠のハレム、後宮デイズ

 

 

 

しゃにむにGO!、いつでもお天気気分、赤ちゃんとぼく、ニューヨークニューヨーク、吸血鬼と愉快な仲間たち(あかぼくのアニメも良かった。YouTubeでだいたいみれる。羅川さんはいつも面白いの描くな〜。ましろのおとも面白いし!最高かよ…ちなみに行くニューヨークニューヨークと吸血鬼と愉快な仲間たちはBL)、

 

 

 

マリッジパープル、うそカノ、執事黒星は傅かない、花と悪魔、黒公爵は星を愛でる、フラレガール、恋と心臓、君に届け、砂時計、piece、ブレッド&バター、うわさの翠くん!、小林が可愛すぎてツライっ!、好きです鈴木くん!!、

 

 

 

ライアー×ライアー、ラララ 、ニコイチ(ハレグゥも大好きだぞ!てか、この人の全部スキィ!金田蓮十郎って最高!!ライアーライアー最近無料になってて読み直してたら、やっぱ面白い。どうしよう買いたくなってきた…。新しく始まったSとNも面白そう。)、花に染む(最近、くらもちふさこめっさきになんねん…。何やねんあの空気感。好きすぎる…)、

 


いぬぼくシークレット、地縛少年花子くん、パンドラハーツヴァニタスの手記望月淳まじで絵が美しすぎて神だよな。パンドラハーツはまじでおわんないかと思ったけどちゃんと畳んだし。新しく始まったヴァニタスもきっちり面白い。さすがジーファンの看板作家。)

 

 

 

まいりました先輩、あっくんと彼女、前世カップリング(杜若わかのギャグセンスまじで好き。あっくんと彼女をpixiv漫画で読むのが一時期生きがいだったw何気にアニメもよかったし。)ヲタクに恋は難しい暁のヨナ、NGライフ、蜜血姫とヴァンパイア、邪神の花嫁、

 


望月さん家のヤンキー、私たちには壁がある!、青春マイノリティ!、星のはな、ビューティーバニィ、桃色ヘヴン!、

 

 

 

天使二分の一方程式、世界で一番大嫌い、V.B.ローズ、ひつじの涙(何だかんだ日高さんの美しい絵が大好きだ。愛してる。)兄友、プロミス・シンデレラ、龍の花わずらい、八潮と三雲、世界で一番悪い魔女、彼女になる日、彼女になる日Another、

 

 

 

 


転生したら、王女様になりました!、この男は人生最大の過ちです、永久指名おねがいします!、ちよにやちよに、カカオ79パーセント、未完成定理、私の可愛い居候、歪みの国のメイ、学級委員になりました。、

 

 

 

剣の王国(これを連載できなくした、コミコを俺は絶対に絶対に絶対に許さない。(呪)現在、作者のヨルハシさんは紙媒体で「はめつの王国」という漫画別の漫画を連載中。剣の王国より数段グロい。ヨルハシさんはまじで構成の鬼なので必ず!!必ず読むように。名作だから!ネット上でははめつの王国はマグコミ、剣の王国はコミコで読めます。はめつの王国は書籍化されてます。)、

 


シュガシュガルーン働きマンさくらん、監督不行届、恋は雨上がりのように。、桐生先生は恋愛がわからない。、四代目の花婿(アイスホッケー漫画をよく描く小野ハルカさんだけど、個人的にはアイスホッケー以外が好きかも?次回作に期待!四代目の花婿とかはマンガワンでちょっとだけ読めるぞ)

 

 

 

僕は妹に恋をする、甘えてよ、虹。、僕の初恋を君に捧ぐ、彼女は嘘を愛しすぎてる、ハツハル、柚木さんちの四兄弟、彼女はまだ恋を知らない、

 


ユキは地獄に落ちるのか、会長はメイド様!、natural、花よりも花の如く、アレクサンドライト、サイファフルーツバスケット

 

 

トナリは何を食う人ぞ(ほろよい含む)、桃山キョーダイ!、金魚奏(何気にずっとふじつか雪作品を読んでいる。やっぱ安定して面白いでござる。実力派。)、

 


とらわれの身の上ヒルヴァンパイア騎士、パレス・メイヂ(番外編も全て読みましたが、大変素晴らしいお点前でございました。)、honey、笑うかのこ様、恋だの愛だの、

 

なんて素敵にジャパネスク、おちくぼ、とりかえばや、うちのポチが言うことには、お嫁にいけない!、天使禁猟区、保健室の影山くん、ラストゲーム

 

魔探偵ロキ彼氏彼女の事情(アニメも神だったね〜)、ヒノコ、覆面系ノイズ悩殺ジャンキーモノクロ少年少女夏目友人帳(めちゃくちゃ好き。こないだ何年振りかにアニメ見てたら面白すぎてつらい。さっさと新しくアニメ化せんかい!)


アラタカンガタリ少年マンガだけど、作者の関係でここに記入)、ふしぎ遊戯妖しのセレス私の少年、アイが死ぬのは君のせい、菜花の彼

 

余談ですが、CLAMP作品は大体どの作品も語れます。エックス以外は。(ツバサ、ちょびっツエンジェリックレイヤーカードキャプターさくらクリアカード編含む)、HOLIC×××、レイアース、ゲートセブン、など)CLAMP単体で語ろうかな?いつか。分類むずいし。


CLAMPといえば、ちょっと前にルルーシュのキャラデザしてたね。神だったわ〜。

 

少女漫画もとにかく推しが多すぎてカバーしきれないので、漏れが沢山ある気がする。(だって「うえき」忘れてたもんね。)

 

あーーーめっちゃ不安。

 


それでは第三弾  青年漫画編へと続く。

 

 

 

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中二病は不治の病だから諦めろ。


興が乗ったので、ここらでひとつ需要皆無の語りをまたまたぶち込もうと思います。

 


ゆるしてね⭐️

 

 

今回は

 


少女・女性とBL・少年・青年・オススメ漫画アプリのの5つに分けて語ろうと思います。なぜこんなに多いかというと、推しが少年漫画からレディースコミックスやBLに至るまで多岐にわたり、どんなに絞っても多いからです。

 


(そもそも買ってる時点でかなりの推し。置くスペースと常に戦っているので、かなり考えてから買う。これは電子も然り。金銭面の問題もあるので)

 

 

いつも通りクソ長いのでご容赦ください。

 

新旧入り混じります。マニアックなのもあります。

 

また、好きな漫画はこの限りではありません。一応、ここで紹介できなかったものも書名のみ最後に列挙予定。書名だけでも描いてあるものについても、ふつーに語れます。

 

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#クロミミ的コミック    第一回

少年漫画編

 

 

 

「呪術廻戦」       芥見下々

 


呪いと戦うハードボイルド(?)ダークファンタジー


大人も読める系少年マンガ。少年ジャンプ連載。


あらすじ。

主人公、虎杖悠仁は呪術師だという伏黒恵に出会う。伏黒は特級呪物であるという、両面宿儺(りょうめんすくな)を探しているという。実は、両面宿儺は呪いという化け物にとって、劇的な力をもたらすものであった。両面宿儺の呪力に引き寄せられ、現れた呪いから逃れるため、虎杖は宿儺の指を食べてしまって…!?

 

けっこうダークな表現とか多いけど、是非読んでほしい。個人的にそろそろアニメ化すんじゃね?と思ってる。アニメ化してないジャンプ作品の中では今一番きてる漫画。


作者がBLEACHの大ファンらしく、テイストが激似。でも、あちらより好みかも。呪いという人の情念などから発生するものが敵となっているせいか、ちゃんとクズがたくさん出てくるところが好印象。少年漫画って、善人ばっかり出てくる印象だからさ。それはそれでいいんだけど、クズ好きとしては物足りなくなる。ギャグのセンスも好き。とにかく、キャラの魅力とノリとスタイリッシュさで全てがつき進んでいく。

(つまりBLEACH


要素的には青のエクソシストを彷彿とさせる。

が、あそこまで話作りがしっかりしてる感はない。青エクはとにかく構造と伏線がすごくてプロットがえぐいんや…。あれも名作なんやで。


あと、作者がゆら帝を知ってるので、(好きかも?)それだけでもう推せる。

 

前日譚の「東京都立呪術高等専門学校」もかなりの出来なので、オススメ。本編がもっと楽しく読めるぞ!

 

 

 

 


左門くんはサモナー 」      沼俊

 


少年ジャンプ連載。言葉遊び好きに刺さるシュールギャグコメディ。


忘れようと思っても忘れられない最強ギャグ漫画。クズな召喚士(サモナー)左門召介と大天使な高校生、天使ヶ原  桜が織りなす、面白すぎるギャクマンガ。

 

もう、クズが大好きな私としては、クズが主人公なこの漫画はたまらない。

 


普段、尊大でクズの極みな左門くんが実はダメダメで召喚士としての実力以外は弱点しかないところとか大好きすぎてつらい。でも、時には頼りになるし、自分の考え方もしっかりしてて。そういうところにも惚れ込んでしまいます。

 


連載開始からずっと追っていた作品。

正直左門くんが本格的に弱点を晒し始めるのが二巻からなので二巻まではまとめて読みましょう。

 

 

 

私は、大学在学中、とにかくコミックを人にかしまくって布教に全力を注いでいました。親にも貸して(五十代)読ませたら、けっこう良かったらしい。

 


これが連載終了になった時、マジで自失呆然として一ヶ月くらい魂が抜けていた。悲しすぎてジャンプの表紙を見ただけで泣けてくるという…。

 


個人的に左門くんの友達の九頭龍くんが大好き❤️(こいつもめちゃくちゃクズ)この作品のツッコミとボケのセンスはマジで好きです。推します。出てくる悪魔とかもいちいち面白くてやばい。

 

 

 

 

鋼の錬金術師」         荒川弘

銀の匙

 

皆さんもご存知の通り、ハガレンはもはやヲタクの義務教育と化した、超名作。錬金術が実際に使える世界を舞台にしたハイファンタジー。多分ドイツとかが舞台設定の基礎になっているのではないかと。


あらすじは有名すぎるのではしょります。一話の入りがあれほど秀逸な作品もなかなかないのではないかと思います。

 

けっこうロジカルな構成が好き。個人的には、キンブリーさんとオリヴィエお姉様が好き。いやージョジョの吉良然り、やはり名作にはいい悪役が出てきますね。キンブリーすこぉ。

 

善悪がはっきりしていて、ボーダーライン上に立つ人物とかがいないので、まさに王道バトル少年漫画、といった感じ。


この作者さんは、銀の匙もそうですがキャラ作りとギャグのセンスが半端ない。それ故に、キャラから放たれるセリフも名台詞揃い。銀の匙とか、マジで毎ページおもろすぎて腹筋崩壊は免れない。(トリミングすると美人、とかマジでワロタwww)


それぞれのキャラクターに哲学があって、ロジックがあり、事情がある。テンプレートに押し込むことは不可能。そこがいい。非常に奥行きのある人物描写をされる方です。リアルにいそうな人ではないのに、リアルにいそうなほど立体的。そして、男はムキムキ、女はムチムチに書きがち。しかし、健康的な感じ。

 

ちょうど小学生の頃、ボンズハガレンのアニメをしていたので、きっみのてっで〜きっりさいって〜ってメリッサをよく歌ってました。

 

 

 

 

 


「スパイラル 〜推理の絆〜」    城平京/水野英多


ガンガン連載。

小学生から中学生の頃にげきはまりしたミステリーもの。ちょっと厨二的だったこともあり、ドンピシャでした。

あらすじはこんな。


主人公の男子高校生、鳴海 歩はある日突然殺人事件の容疑者となってしまう。結局、真実を推理し、無事濡れ衣から逃れる歩。しかし、これは序章に過ぎなかった。失踪した天才である兄、清隆とブレードチルドレンと呼ばれる呪われた子供達ーーー。その大いなる闇と謎に歩は次第に足を踏み入れることとなったのだった。

 


続編としてスパイラル・アライヴもあります。アニメ化も大昔にされてますが、アニオリが多分に含まれており、好きではありません。原作を読むことを強くオススメします。


作画担当の水野さんの画力が連載中、半端なく上がっていくのが楽しい作品でした。

 

この原作者の城平京さんは、ここから一躍有名原作者となった印象。けっこうぶっ飛んだ物語をが描かれますが、すきです。他には、「てんがいさんは案外普通」「絶縁のテンペスト」「虚構推理」などなどを世に送り出し続けているヒットメーカー。どれもけっこう好きだけど、スパイラルが一番好き。

 

個人的にこのころのガンガンは神だった。いまもまあ、面白いんだけど。だってハガレンあるし、ソールイーターあるし、スパイラルあるし。

 

 

 

 

 

 

 

 

魔王城でおやすみ」     熊之股鍵次

 

サンデー連載。

今度アニメ化するらしいよ!

近年で左門くんとはるか、もしくはそれ以上と目される最高すぎるギャグコメディ。

RPGのような世界観。魔王がいて、姫がいて、勇者がいる。そして、姫が魔王に連れ去られ、魔王城へ…と。まあここまでは普通、なのだが。


この姫が普通ではなかったっっっ!!!!

 

この姫ことスヤ姫(スヤリス姫)は快適に眠ることへの執着がものすごかったのだ!悪魔的な手法と、魔王のような有能さて極上の眠りを追い求めるスヤ姫…!その威力は、到底人質などとは思えない自由奔放さで?!

もうこの姫、半端ない。


人質のくせに、快適に生活しスギィ!!


そして、魔王城の連中が軒並みお可愛い。

皆の者、腹筋を三つほどストックしてから臨もうな?絶対に崩壊するから。

 

個人的に、魔王城主力チームがみんなちびキャラ化する回が好きすぎました。ずるいよ…。あんなんときめくやん。この可愛さの暴力については、わが友人にして、素敵な変態Y氏と語り明かしました。(そもそもY氏からこの作品を教えてもらった。)

 

とにかくどの話も面白い!

外れなさすぎて腹筋ぶっ壊れるまで笑えます。

 

 

 


湯神(ゆがみ)くんには友達がいない

 

サンデーで連載。

独特な空気感が特徴的なこちら。

 

変わり者で、野球部のエースピッチャーな湯神くんを中心に物語が展開していく青春ギャグコメディー。

かなり笑えるし、独特なリズム感がもう好きすぎる。

多分湯神くんってこんな人。

 

湯神くんには友達がいない

湯神くんは読めない。

湯神くんは空気を読まない。

湯神くんは嘘をつかない。

湯神くんはひどい。

湯神くんは強い。

湯神くんは独立独歩。

湯神くんは言葉を飾らない。

湯神くんは努力を惜しまない。

湯神くんはブレない。

湯神くんは悪いやつじゃない。

湯神くんはいいやつでもない。

湯神くんはどうしようもない。

湯神くんはどこまでもまっすぐ。

湯神くんはカッコいい。

湯神くんは他人に興味がないわけじゃない。


湯神くんって、そんな人。

最初はただの偏屈な変人に見える湯神くん。確かに変人だし偏屈。しかし、不思議な魅力もいっぱい持ってる人物なのです。

 

わたしが個人的に好きなのは、彼が決していい人でも悪い人でもないところ。これはきっと彼がどこまでも自分を飾らず、自分の考えに従って生きる人だから。行動が決してブレない。彼はいつでも自分に正直。そこがとってもかっこいいし、だからこそ友達ができない。

 

助けたいと思ったら力を尽くして人を助けるし、くだらないと思ったことには1秒でも時間を割かない。つまらなかったらつまらないとはっきり一切のためらいなく言ってしまう、そんな感じ。

 

そんな湯神くん像にだれしもいつしか、憧れてしまうのです。

 

この間完結したのですが、最後の最後まで彼らしくってなんだかジーンとしてしまいました。ここまでブレない人物像をちゃんと描いてくれる作者に脱帽。

 

個人的にヒロインのちひろちゃんが回をおうごとにものすごく可愛くなっていくのも好き。ラブコメのあり方もなんだかこの物語ならではで新鮮です。だって相手が湯神くんだもんね。

 

 

 

「らんま2分の1 」  高橋留美子

 

あまりに有名なので、あらすじ省略っっ!

らんまはマジで萌える要素しかなくてつらい。この頃のデフォメの仕方が一番好きかも。とりま、シャンプーの可愛さだけで世界は救える。(ゆるい漫画について話してると脳みそも緩むな…)

 

てか、男が可愛い女の子にってマジで最強設定だよな。でも、絶妙にエロくてでもいやらしくはないという…。っく…神か…!

 

ジーザス!!!!

 

高橋留美子の笑いのセンスマジで好き。

犬夜叉」も「めぞん一刻」も大好きだよ❤️(残念ながら、うる星は読めてない)

留美子が最近「MAO」ってゆー新連載を始めたので新刊が買いたい。読んだ人、コメよろしくだっちゃ!

 

 

 

結界師」「バードメン」   田辺イエロウ

 

 

 

田辺イエロウは小学生の時分から大好きなのであった…。ブラックな世界観が大好きなんだよ俺は!!!!って叫びたくなるよこの人の作品を読んでると。マジで辛いぐらい性癖にぶっささっから!!

 

結界師の頃から思ってたけど、やはり話の構造が複雑で凝った作品を書く人だなぁ。としみじみ思います。青年誌でもいけそう。特にバードメン。個人的にスクエアの加藤和恵さん(青エク)ポジだわ。田辺イエロウは。

 

どっちも大好き。もちろんどっちも履修してんだろうな?!おまいら!!!(ウッザ)

 

バードメンは本当にこんな凄い作品を少年誌の値段で買っていいのか?と毎回思ってしまう秀作。

 

近年稀に見るSF(サイエンスフィクション)の傑作です。

あらすじはこんな。

 

主人公の烏丸(からすま)は中学生。

中学生受験に失敗後、鬱屈した毎日を送っていた。

なりたいものもない。

俺には何もないーーー。

 

烏丸はある日、バス事故に遭ってしまう。

謎の男は言った。

 

死にたいか、生きたいか、どっちだ。

と。

 

その時から、から彼の体はまるきり変わってしまった。

 

烏丸は命と引き換えに、「鳥男」になってしまったのだ。

 

鳥男とは何か?

どうやって生み出されたのか?

 

烏丸は鳥男をめぐる陰謀と謎に巻き込まれていくーーー。そこにどんな闇が待ち受けているかも知らされずに。

 

わたし、この主人公の烏丸が大好きなんですよね。前作の「結界師」主人公、良守が典型的な少年漫画の主人公だっただけに、今作の主人公、烏丸のリアリストでシニカルな性格は余計映えます。

 

わたしみたいになんでもかんでも斜に構えてみちゃう系のやつはきっと共感しかないのでは、と。

 

ちょっと少年漫画の主人公キャラには飽き飽きだぜ!毒をかっ喰らいたい気分だぜ!(クロミミはしょっちゅうそんな気分です←)となったらこの作品しかない。

 

個人的には知っている少年漫画の中で最も大人向けかも。呪術廻戦が一般ウケなら、こちらはマニア向け。わたしはこっちの方が好き。

 

一度は読まないと損!!!

 

 

 

 

 

 

 

「青のエクソシスト加藤和恵

 

サタン子がエクソシストになる話。(簡単スギィ!)有名だから、あらすじは省略するぞ⭐︎

 

正直最初の一巻二巻はそうでもないなって思いました。(中学の頃?)でも、この作品の本領はそこじゃない!まだ読んでないやつ、途中でやめたってやつ!言っとくぜ!!

 

これは、四巻まで一気読み必須だから!!!

 

思えば、わたしが初めてニーチェに触れたのも、青エクだった…。

 

怪物と戦う者は、みずからもまた怪物とならぬように心せねばならない。お前が深淵を見つめる時、深淵もまたお前を見つめ返すのだから。

 


ニーチェ  『善悪の彼岸』より。

 

この言葉にハマりすぎて、ここから連想して一つ小説を書いたくらいハマってた。懐かしい…。

今でも暗記してる。バカだよねwww

 

青エクの主人公、燐は悪魔・サタンの子でサタンの青い炎を引く少年。

 

かなり複雑な生い立ちを抱えているにもかかわらず、明るく、前向きなとてもいい子なのです。(おバカだけど)

 

このいい子に試練を与える役目を担うのが悪魔、メフィストフェレス卿。シニカルでひょうきんで、読めない。悪意に満ちていて、邪悪なのになぜか惹かれる魅力がある。まさしく悪魔。まあ、本当に悪魔なんですが。

 

このキャラクターが秀逸だからこそ、燐の王道が活きるのです。

 

試練の中燐は試される。いつまでいい子でいられるか?いつまで人間でいられるか?

 

そして燐を引き立て、かつ魅力的なキャラクターとしてもう一人あげられるのは燐の弟、雪男(ゆきお)彼もサタンの子ですが、燐とは違ってサタンの青い炎を受け継いでいません。

 

雪男は燐と対をなす存在。

最近はダブル主人公のような立ち回りを見せています。わたしは雪男好きだよ。(一番好きなのは藤本獅郎神父。最近の若かりし藤本獅郎が好きすぎて辛かった。)

 

理知的で、優秀。人当たりの良い温厚な人物。もちろんそれも彼の一面なのです。しかし、実は子供っぽく狭量な面も持ち合わせています。

 

感情をむき出しにすることを拒み、いつでも自分を律しようとする雪男は、燐に複雑な感情を抱いている。

 

そして、雪男もサタンの子である以上、サタンと、悪魔と無関係ではいられない。

 

この雪男の存在もまた、燐にとっての試練と言えるのかもしれません。

 

正反対の人物を置いて対比することで物語を構成するというのは古典的な手法ではありますが、ここまで高い次元で実現し、なおかつ物語に余すことなく生かしている作品はなかなかないのでは?と思います。

 

王道中の王道でありながら、革新的。

是非ご一読を!

 

 

 

 

 

ボールルームへようこそ」    竹内友

 

見た瞬間、

少年誌的には…アウトーーーー!!!!

ってなるやつでしたこれw

↑言っとくけど、超超超褒めてる。

 

ある時、勝手に部屋にやってきた親が勝手にわたしの棚を物色して唐突にこれをパラパラ見て、一言。

親「やべーな、これ…」

ワタシ「やべーやろ」

ワタシ「少年誌にそれ晒すとか、クソやばくね?」

親「ヤベェ」

 

って感じでした。

作者が変態すぎて心配になる名作。

 

でも、安心するがいい、皆の衆。アニメ化されたから、健全らしい??ぞ??

 

少年誌でこんなに性癖をさらけ出していいのかと心配になる素晴らしい作品。

 

あらすじはこんな。

高校生、富士田多々良には、特技もなく、夢中になれることも何一つなかった。

 


しかし、そんな色あせた日々に変化が訪れる。仙石という男との出会いが全てを変えた。聞けば彼は有名なダンサーだという。しかも、社交ダンス。

 


この出会いをキッカケに、未知の世界へと足を踏み入れていく多々良。彼は様々な人々と出会い、そして、ダンスの魅力に取り憑かれていくーーーー。

 

なんだろう。人の感情の書き方とか、身体の肉感の書き方がひたすらえぐい、いやらしい。

 

人間の醜さも美しさも矛盾も全て余すことなく描き出してしまう圧倒的な筆致。これはもう必見!しかも、芸術スポーツと言えるこの題材にあまりにもマッチしていて、そこもえぐい。

 

とにかく、一度は見なきゃ損!

 

アニメ見て、この作品を知ったと思うな?!

絵が全然、全然違うんだから!!

(アニメは素晴らしかったですよ?原作が神すぎるだけで。)

 

でも、中学生にはオススメしません。なんか変な性癖開発されそう。

 

 

 

 

「ロッキンユー!」    石川香織

 

ジャンプラで連載中。

わたしがオルタナティブロックと出会えたのはこれのおかげ。それまでは、はっぴぃえんど。くらいしか知りませんでした。ゆらゆら帝国も、ナンバーガールザゼンボーイズ向井秀徳もいイースタンユースも全部全部これで知った!!


もうどれだけこの出会いに感謝したか!

 

ロッキンユー!の一話を読んで終わってからオルタナティブロックにズブズブにはまってもうやばい。さっきまでナンバガ聞いてたけどもうあれ麻薬よ?

 

音楽とか全然興味なかった高校生が、オルタナロックヲタに出会い、オルタナティブロックバンドを組む話。

 

ちょっとクセのある、荒い絵なので好き嫌い分かれると思うけど、一度は読んでほしい。力強い良作。

 

好きなものを好きだという、ただそれだけのことが、難しい。

 

わたしも生きてく中で幾度となく、思ったことです。

 

そのジレンマを肯定してくれる作品。

 

青くて、痛くて、爽快!!!

読もうぜ!そしてオルタナしようぜ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

少年マンガはこれもオススメ★

(最近のもの多め)

 


チェンソーマン、ディーグレイマンジョジョ(5部までしか読めてない。専用アプリで読めちゃうよ❤️ジョジョ アプリ で検索っ!)忘却バッテリー(スポーツ漫画と見せかけてギャグ漫画、かと思いきや、しっかりスポーツ漫画。最高にカッコいい少年たちの物語。)

 


幽☆遊☆白書鬼滅の刃ドクターストーン、剥き出しの白鳥、大正処女物語、昭和オトメ奇譚、青のエクソシスト、ムーンランド、アビスレイジ、この恋はこれ以上綺麗にならない。(まえ紹介した、舞城王太郎が原作。詳しくは#クロミミ的ブック   )、

 


スパイ・ファミリー、ナルト、ハイキュー!!(岩ちゃん大好き愛してる❤)、BLEACHサマータイムリレンダ、地獄楽、犬夜叉古見さんはコミュ症(この作者絶対変態。史上最高の性格イケメン男子に萌える。只野くんがジェントルすぎてやばい。あんな男子おらんて。てか、いつアニメ化するんじゃお前はよぉ!?魔王城がアニメ化したんなら、おまんもアニメ化するんじゃろがい!!←壁ダァン!)、

 

あおざくら、憂国のモリアーティー終わりのセラフ終わりのセラフ  一瀬グレン  16歳の破滅(終わりのセラフの前日譚)、怪物事変、死神坊ちゃんと黒メイド、おとこのこ妻、デスノートヒカルの碁バクマン。

 

絶対可憐チルドレン(番外編のアンリミテッド兵部京介も面白い。)、いじめるすごい奴、可愛いだけじゃない式守さん、化物語西尾維新が原作小説を書いている。原作も神だよ。てゆーか、西尾維新が神。とりまアニメ見ろ。これを少年漫画でやるとかえぐい。マガジンどうした。最近のマガジンマジハンパないって。)、ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。


ランウェイで笑って  、東京卍リベンジャーズ(新宿スワンの人が書いてます。画風がかなり変わってるけど、相変わらずえぐいくらい絵が上手いし、話の作りも最高だし、キャラデザがいちいちかっこよくて神すぎる。全巻買い揃えたいが、金がない。どうしろってんだ。まったく。)、

 

ソールイーター、弱虫ペダル、少年ラケット、六道の悪女たち、ばらかもんはんだくん、田中くんはいつも気だるげ、坂本ですが?、ビーブルー(なんだかずっとサッカー漫画が苦手だったんだけど、これはかなり面白い。とりま、桜庭さんを愛でる会を結成したい)、腸よ鼻よ(ガンマ!で無料で読めるぞぅ!検索ー!!ガチの闘病系ギャクマンガ。キレッキレのギャグで死ぬほど楽しい。現在進行形で作者が闘病中。エッセイみたいな感じかな?コメ欄がみんな作者を全力で応援しててほっこりします。大好き❤️)

 

ダイヤのA、メジャー、うしおととらからくりサーカス、青のフラッグ、薬屋のひとりごと(原作もなかなか。でも、どちらかというと少女漫画かもしれない。でも漫画の連載雑誌、サンデー系なんだよなぁ。)、

 

灼熱カバディましろのおとかくしごとノラガミ、ひとりぼっちの地球侵略、さんかれあ、付き合ってあげてもいいけど、ベイビー・ステップ、彼女、お借りします。、AKB49、アクマゲーム、リアルアカウント、ブラッディ・マンディ(全シリーズ含む)、ブラック・ラグーン七つの大罪ドラゴンボールワールドトリガー

 

 

 

などなど。

 


まだまだまだまだあるけど、この辺で〜。

大体の漫画は知ってますのでコメで語ってください。(しらなくても今から知ることに微塵のためらいもござらん。)

 

最近は、アニメを見た影響で手塚治虫どろろが読みたいクロミミなのでした。

 

 

では、

 


第2弾   青年漫画編へと続きます。

 

 

 

kuromimi.hatenablog.com

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伊坂幸太郎に見る日本人的性質とは。

たのむから、お願いだから、

ニワカだけど伊坂幸太郎を語らせてほしい。

ひさびさに伊坂幸太郎を読んだら最高すぎた。

 



今回語るのはこちら。

伊坂幸太郎

グラスホッパー

角川文庫刊行

 

f:id:KUROMIMI:20191113175753j:image

 

グラスホッパー』のあらすじはこんな。

 

「復讐を横取りされた、嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。

  一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者、蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとにーー「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感で溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!


(『グラスホッパー』角川文庫 カバー裏あらすじより全文を引用)

 

この作品を改めて読んで、やっぱり伊坂幸太郎ってすごい。って思った。


もちろん文章とかも素敵なんですけど、それよりも何よりも人物造形がすごい。


グラスホッパーに出てくる人物はみんなかっこいいんだけど、どこか人間臭い。人間の性を描くのが上手いとでも言おうか。人間の持つ、どうしようもなさ、みたいなもの。

だから、キャラが上滑りせず自分に引き寄せて入り込んで読んでしまう。気がつくとそこはすでに術中。深く惹かれてしまうのです。

 

最も印象に残った部分をとりあえず引用。

殺し屋・蝉とその雇い主の岩西との会話。

こいつら、魔王とかにも出てきた気がするんだけど…気のせいかな??

 

 


「おまえさ」岩西がふいに、口を開いた。「前から思ってたんだけどよ、いつも何考えながら、やるんだ?人を殺すときに」

「どういう質問だよ」

「殺す時は、言い訳を考えたり、理屈を考えたり、念仏を唱えたりするのかよ」

「するわけねえだろうが」

「何も考えずに、殺せるのかよ」

  今更なんだそりゃ。長年バッテリーを組んでいたキャッチャーから「ところでおまえの球種っていくつあるんだ」と訊ねられたような不意打ちを蝉は感じたが、それでも答えを探した。「俺は頭が悪いからよ、難しいことから逃げるのは得意なんだよ。数学の定理とか、英語の文法とかあるじゃねえか。ああいうのを黒板に書かれても、さっぱりわからねえんだよ。だからそういう時は、考えるのをやめるわけだ。それと同じだよ。人を殺すのがいいことなのか、そういうのはかんがえねえんだよ。仕事だから、やる。それだけだ。ああ、例えば、あれだな」

「何だよ」

「例えば、車を運転している時に、交差点の信号が黄色から赤になりかけたりするだろ。でもまあ、どうにかなるんじゃねえかとアクセルを踏んで、渡ることってあるだろ」

「それで、自分よりさらに後ろの車もついてきた時ってのは、驚くよな」

「まあな。で、そうした時に前がつかえて、交差点の真ん中めでとまることってあるじゃねえか。他の車の邪魔になるわけだ。そういう時、ちょっと悪いな、って思うだろ?」

「そうだな、ちょっとは思うな」

「それと似てる」

「はあ?」

「道、塞いじゃって申し訳ない。でも、そんなに迷惑じゃないだろ、勘弁してくれよ。そんな気持ちで殺すわけだ。それに、俺が殺す相手ってのは、会ってみるとむかつく人間ばっかりなんだよな。うるせぇし、鈍いし、身勝手だ。罪悪感なんて感じる必要もねえ」

「おまえは才能があるよ」岩西が酔っ払いがそうするように、高い声で笑った。

(『グラスホッパー伊坂幸太郎  角川文庫より一部を引用)

 

初めて読んだ時に蝉の結論が私の中でストン、と腑に落ちてびっくりしました。何故でしょう?

 

それは、この蝉の明確とは言えない気持ち、状態がひどく身に覚えがあるものだったからではないか、と思っています。


日本人は基本的にロジックより感情を優先する民族です。そして、個人よりも集団が強い。だからなのか、一度仕事という大義名分を与えられると、それ以上の理由づけを必要としない。仕事という、外に理由を求める。そういう性質を我々はもともと持っているのではないか、と思う。理由がなくても、理屈が合わなくても、私たちは生きていける。


これが西洋なら話は違ってくるかもしれません。彼らは、基本的にロジックと個人主義にいきている。きっと、彼らは自分の理由を求める。だからこそ西洋では哲学が発達したのです。これはドストエフスキーなどを読んでいても感じることですが。皆、自分の哲学に従って生きるのです。行動の理由は常に自らの内にある。

(このような日本人と西洋人の違いについては、河合隼雄さんがいつだったか対談で触れられていましたが。)


日本人的な性質をまざまざと浮き彫りにしてしまうこの会話文にはゾクゾクきました。

 


でも、凄いのはここだけじゃあ、ない。

 

会話文のリアリティもすごい。


このやり取りを読むだけで、岩西が蝉にとってどういう存在かがわかる。

 

ここでの蝉の言葉は「加工」されていないように感じる。思ったことが素のまま外に出ている。私も家族やごく親しい友人の前でのみ、こういう会話をしてしまうことがあるのです。そういう時の語りは会話というより「独白」に近くなります。だから、噛み合わなくなったり相手を戸惑わせたりしてしまう。それは、外に出すものとして「加工」されていないから。


自分を真に語ろうとする時、どうしても自分自身との深い対話が必要不可欠となります。


自分と対話し、その感覚に最も近い言葉を探すことに集中するので、意識は内に向く。そういうときの独特な感触をこの会話文は持っている。

 

自分の心の中身をそのまま話す。そういう状態って、ひどく無防備だとおもいませんか?

 

つまり、こんな自分をさらけ出すような話題の答えを真面目に語ってしまうほど、蝉は岩西を信頼している、心を許しているということなのです。

 

会話文を通して、それと気がつかせることなく人物間の関係性や人物像を描き出す。この手法はとんでもなく難しい。なのに、さらっと伊坂幸太郎はやってのけてしまう。いや。しびれますね。カッケー。


よもや、半ば独白のあの空気感を再現しうる作家がいようとは。

 

続きの『マリアビートル』を読むのが、ますます楽しみです。

 

今まで伊坂幸太郎は『ゴールデンスランバー』『死神の精度』『フィッシュストーリー』『陽気なギャングが世界を回す』


あたりを読んできましたが、これは『ゴールデンスランバー』以来のあたりを引いた予感。

 

皆さんもおすすめあったら好きなだけコメで語ってください。

それでは、長々とありがとうございました。

 

 

 

 

小説 (仮題)反対の笑み⑴

  その男は、少し違和感のある微笑でこちらを見つめ返していた。「違和感」というのは何も、目の前の男の笑みがぎこちなかったという意味ではないーーー。むしろ、穏やかに何の問題もなく男は笑っていた。違和感を覚えたのは、違っていたからだ。つまり、自分が鏡を見たときにそこに映る顔と今対峙している己の顔とが。

 男も自分のクローンなのだと聞かされていた。顔の造形は全く同じなのに、中身が違うだけでここまで違って見えるものなのか。

   そう考えるうち、気味の悪いものがどこかからかどくどくと湧き上がってきた。まるで、二人で一つの肉体を取り合っているみたいじゃないか?

  取り憑かれたような嫌悪が私の視線を自然、下へと向けさせた。クローンに考えを読まれるのではないか。馬鹿げた考えが過ぎる。

  感情を持て余しながら、思い出していた。ここにくる前に話されたことを。

  ーーーー彼らは、つまり有能な戦士なのです。

  ーーーー気にすることはありません、彼らはクローンなのですから。

  男ーーー「S5」(エスゴ)は私のクローンだということだった。 ただし、彼だけが、というわけではない。私のクローンはもともと五体いたらしい。すでに四体は戦死してこの世界にはいないのだが。S5はクローン最後の生き残りというわけだ。

  ひどく滑稽に感じる。なぜ私はここにいるのだろう。つい昨日まで、私は自分にクローンがいることも、さらに言うならこの国が戦争をしていることすら知らなかったというのに。

  目の前の男の目は、私を哀れんでいるようにも、蔑んでいるようにも見えた。

  その目の奇妙な冷たさに同調している自分に対する心地よさと気味の悪さが、同時にジリジリと胸の内を満たしていった。   

 

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