KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

海のなか(16)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com ※※※ 「だめ、サヤ。まだ目は伏せてて!マスカラ失敗する」 愛花がピシャリと言った。我ながら私も往生際が悪い。ここに座ってからもう、15分は経っている。愛花はなおも腰をかがめてマスカラを塗り重ねていた。メガ…

古本屋巡りな新年。

こんにちわ。クロミミです。 新年あけましておめでとうございます。 今年も出来るだけ楽しさとやりがいに満ちた生活を送れればなーと思います。今年もいっぱい小説書いて、いっぱい本読みたいな。 今年の年末年始はジョジョと共にありました。 もちろん「岸…

小説・海のなか(15)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com もう十月だと言うのに、体育館には熱気が充満していた。息苦しさにもがくように汗を拭う。壇上では生徒会長の佐々木が挨拶をしていた。ようやく今日がはじまる。準備作業の大変さを思うとそこから解放されることも相…

小説・海のなか(14)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 第六章 「萌芽」 『10月3日 木曜日 今夜はなんだか落ち着かなくて、彼に会いに家を抜け出した。このところは、毎晩会いに行っている。』 夜空を引っ掻いたような頼りない三日月が浮かんでいた。今にも消えそうな感じ…

ただ自分らしくありたいだけなのに。

私はキラキラしたものが好きだ。 昔からそうだった。 キラキラしたアクセサリーを見ていると日々の悩みがどうでもよくなる。幸せになれるのだ。コスメもメイクも好きだし、おしゃれすること全般が大好きだ。愛していると言ってもいい。 こういう私の嗜好を他…

詩・地獄を生きる

地獄を生きようと思う それを選ぶ権利がある 自由を生きようと思う 自由という地獄を この地獄をわたしだけはどこまでも知ろう まだこの先があると分かっている ここには底がない 私の欲望の深さと同じに 味わったことのない幸と不幸 それだけを飽くことなく…

詩・さみしいひとびと

ひとはみんなさみしい たとえ さみしいと 気がつかなくても だって私たち ひとりひとり違うんだもの さみしいを 愛する人もいる。 さみしいを 味わうひともいる。 さみしいってだめかしら。 わたしは さみしいが すきなのに ひとはみんな 恋しい 誰もが誰か…

なぜ肯定されると思えるんだよ。

よく、 「わたし、〜なんだよね。本当だめだわ」 「わたしなんて…だから」 などと口にする人に出会う。 そういう人は往々にして 「そんなことないよ」という返しを期待してそう言っている気がする。こういう人に出会うたび、 「お前は肯定してもらえると思っ…

自分の力で人生は切り開くべきか。

どうも。 クロミミです。 今回は最近思ったことをつらつら描いてみたいと思います。わたしはごく最近まで自分の力で思うように人生を作り上げられることが理想だと思ってきた部分がありました。 それって本当にいいことなのでしょうか。 「全てが自分の思い…

小説・海のなか(13)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 「で?なんかあったわけ。じゃなきゃここにおれを呼んだりしねぇだろ」 一馬は海風に目を細めながら言った。その横顔を心底にくいと思う。ただ自分に会いたくなったから、とは考えないんだろうか。 もう、あたしは理…

幸せに「他者に認められる」は必要か。

自分の価値は一体だれが決めるだろう。 他人だろうか。社会だろうか。 あるいは 自分か? 結論は人それぞれ違うと思う。 私の回答は後者になる。 私の価値を決めるのは自分だ。 しかし、この言葉を額面通り受け取るとやや語弊があるかも知れない。 なぜなら…

詩・空洞の記憶

ある夜 音楽を聴いて歌っていると あの部屋の味がした。 かさかさと乾いたひとりの 贅沢な味が。 その時やっと思い知ったのだ。 『もうあの場所には戻れない』 同時に 虚しかった きっと私はすぐに忘れてしまう わたしはわたしの薄情さが憎かった。 けれど …

うっかり自殺しそうになった話。

今回は少しだけ私の生き方について語りたいと思う。 あれは数年前のこと。 大学をあと一年で卒業しようかと言う頃、ふと、こんな声が頭の上に降ってきた。 あ。 このままだと、自殺する。 たぶん 間違いなく。 そんな予感だ。 別に自殺願望があったわけでは…

小説・海のなか まとめ2

どうも。 クロミミです。 亀の歩行のごとき更新頻度の本小説「海のなか」を毎度ご閲覧いただき誠にありがとうございます。 最近、自分でも思いもしなかったキャラ一人一人の一面が見えてきて楽しい今日この頃。私の作る登場人物は大体クズです。クズ好きなも…

小説・海のなか(12)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com ※※※ 目を細めて黒く染まった海を見つめていると、夜風が渡る気配がした。夜があたしを呼んでいる。水平線の向こうでは、夕日の名残が溶けて無くなろうとしていた。夜と昼のあわい。空は夜にもなりきれず星を煌めかせ…

詩・自由との契約

私にとって過去は恥 私にとって過去は後悔の墓場 私にとって過去は振り返ることのできない何か 懐かしくはない、何か 私にとって未来はおそいかかる怪物 私にとって未来は未知の恐怖 私は未来に期待しない 私は今に全てを捧げながら 最高の生き方をただ求め…

小説・海のなか(11)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 外に踏み出すと、すでに薄暮が降りていた。あれが最後の夕日だったらしい。と、殊更に赤く染まっていた夕凪の頬色が頭を過ぎる。違和感を覚えて掌を上に向けてみると、僅かに濡れる。霧のような雨が音もなく…

小説・海のなか(10)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 問いが口を離れてから、随分と長い空白が訪れたように感じた。それは問いかけ自体が無に帰っていく様な時間だった。奇妙だ。この沈黙は重くもないし、ましてや心地よくもない。だから私もなんだかまた話し始める気に…

小説・海のなか(9)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com kuromimi.hatenablog.com *** 到着してしばらく経っても、まだ小瀬家のインターホンに手を触れることを躊躇っていた。夕方とはいえ、まだ秋になりきれない日差しは首筋をジリジリと焼き始めている。何処かからか…

詩・雨音

雨の音が染み込んでいった いつかの午後 わたしはひとりだった。 どこかでささやきのように ひっそりと喰べている雨を感じながら それまでわたしの中は騒がしかった。 雨声とはまた違って うるさく やかましく 際限がなかった 雨がすべてを喰ってゆく。 何も…

詩・行き過ぎしもの

大切なものは 一呼吸ごとに くすみを増して あの時の感情を もう取り戻せない どうしようもないほど 煌めいていた一瞬 あの一瞬を 買い取るために なけなしの稼ぎを費やして そう 本当に欲しかったのは これじゃない でもね あの快楽があの苦しみに見合うか…

小説・海のなか(8)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 第五章 歪 その日のLHRでは、文化祭当日の役割分担を決めていた。私のクラスは喫茶店をやる予定だ。当日は調理班と給仕班にわかれてそれぞれにシフトを組むのだ。誰が決めたのか、女子生徒はフリルのついた可愛らし…

小説・海のなか まとめ1

どうも。 クロミミです。 今回は、先日また最新話を公開しました自作連載小説「海のなか」のまとめなどを少々していきたいと思います。よろしければお付き合いください。 いつも読んでくださっている方々、ありがとうございます。スターがつくたびウキウキし…

小説・海のなか(7)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 第4章 ダイアローグ 「それにしても、随分とありふれた娘を選んだものだ」 妖艶な女は興醒めたようにぽつりとこぼした。低く澄んだ声が虚空に広がっていった。私は女の横顔に目をやりつつその美しさにぞっとした。秀…

詩・「春の長夜」

水の匂いがした 夜の匂いだ だれかがひんやり 運んできた 生温くない 春 花冷えはとうに過ぎて 花の色も青くかわる 街灯の灯は さめざめと降り 夜のしじまを 煌々と白くする わたしの鈍い歩みだけが刻まれた 曇天の夜 こんなにも冴えない夜なのに 夜の黒は美…

ジッタスクワットって知ってるか。

お久しぶりです。クロミミです。 皆様はジッタスクワットという彫金作家さんをご存知でしょうか。 実は最近クロミミはクリーマなるハンドメイドアプリを始めたんでござるが。そこで出会ってしまった最高な作家さんについてちょっと語りたい。 上から、ジッタ…

好き嫌いと尊敬できるかは別。

今だから言えることを言いたいと思う。 実はある上司がこの上なく嫌いだった。 なぜなら彼は善いひとだったからだ。 私は善人が嫌いだ。善良であることを尊び、すべての人が和を重んじると心から信じている人間が大嫌いだ。 なぜなら、私はなぜか常に善人か…

詩・「欲しい」

あの時味わった 幸福な味を 私は今でも忘れられないでいる あの味はどんな味だったかしら 時々 尋ねられることがある。 一体何がそんなに欲しいの、って そんなのわからない わからないけど欲しいんだもの 本当は欲しいものなんてないんでしょう、 なんてい…

小説・海のなか(6)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com ※※※ 駅前の寂れた商店街をまっすぐに抜け、小さなトンネルを潜ると坂の上に市立図書館が現れる。濃い樹木の緑に石壁の白が夏の光に照らされて映えている。坂の下から図書館を見上げるのが好きだった。ふとした瞬間に…

情景を刻みつけるための詩。

先日ご近所の四国へ行ってきました。 うどん美味しかった〜! うどん大好きマンなのです。わたくし。 海にも行ってきました。 実は先日の詩で使った写真はこの時撮った写真だったりします。もう、すっごい綺麗で。この情景を何度か記録しておきたいと思って…