KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

小説・「海のなか」(28)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 20××年 10月5日 溺れている。 深い色。 上の方に光が見える。 *** 20××年 10月6日 「はやくおいで」 と誰かが呼んでいた。 顔がない女。 でも、笑っているのがわかる。 *** 20××年 10月7日 「 」 誰か…

自画像ってむずかしい。

なぜかふと思い立って自画像を描いた。 自画像とか多分、リアル寄りで書くのは、中学の美術以来かも。 色塗る段階で、自分の面見るのが嫌になってきて微妙な出来に。 まじまじと自分の顔を見る機会がないけど、むっちゃ面長でびびるな。目から顎の距離長すぎ…

懐かしい香りを音楽は連れてくる。

クロミミとBUMP #クロミミと音楽#クロミミ的音楽 私がBUMP of CHICKENに出会ったのは、中学一年の頃。ひとつ年上の幼なじみが私に教えてくれたのだった。 彼女とは姉妹のように親しかったが、つまらないことで仲違いした。それからはまったく交流がない。こ…

感動すると、私たちは泣いてしまう。

先日、久々に電車で外出した折にこれをずっと読んでいた。 「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」 「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー 2」 有名なこのシリーズをわたしはなんとなく今まで避けていた。 というのも天邪鬼なので、これがいい…

ジェンダーの消えた世界で

フェミニズムは気持ち悪い、と昔から思っていた。 同じようにマスキュリズム(男性に対する性差別撤廃を目指す考え方)も気持ち悪いと思っている。 最近特にフェミニズムを意識することが多くなった。 書籍を見ても「世界を変えた100人の〜」というものを近…

「役立つこと」は揺るぎない価値か?

「役立つこと」は揺るぎない価値か? 先日私は「読書の効用」についての投稿を描きました。その際に、こういうことに役立つよ〜。こんなことができるよ〜。って描いたわけなのですが。 今回はそんな論の根幹を揺るがすような話をしたい。 私は昔から、これや…

小説・「海のなか」(27)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 第八章 「夢中と現実」 瞼が上がると、「ああ、これは夢だな」という冷めた自覚が生まれた。飽きるほど繰り返した夢だった。 夢の中で、わたしの胸は締め付けられるように苦しい。目の前には残酷なほど美しいブルー…

初めてフォロワーをブロックした話。

どうも。クロミミです。今回はなんとなくアンチを産みそうな話をしたいと思います。 前もって言っとくぞ。 反感をもってイライラしたらコメしてもいいけど、面白くない批判コメは削除します。悪しからず。 実はこないだ初めてアンチコメを頂きまして。それを…

小説・『海のなか』(26)

前話はこちら kuromimi.hatenablog.com *** 今宵も13年前のあの日のことを語らなければならない。忘れないために。そして、叶えるために。 13年前、あなたはあの子を抱えてここに降り立った。あの時の光景は今でも色鮮やかだ。時を切り取り保存する術があ…

「本当に欲しいもの」を探して。

最近ふと、向田邦子を読んでいる。 はっきりとした契機はなかったように思われる。 そもそもわたしは今までの人生上でまともに向田邦子作品に触れたことがない。高校だか中学だかの授業で「字のないはがき」を読んだきりである。 だから、これが人生初向田邦…

小説・「海のなか」(25)

前話はこちら。 *** kuromimi.hatenablog.com 付き合い始めたからといって、ほとんど変化はなかった。変わったことといえば、必ず待ち合わせて帰るようになったこと。それから時々手を繋ぐようになったこと。それだけだ。付き合っていると見せかけるため…

小説・「海のなか」(24)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** もう秋になり始めた頃のことだった。秋といってもまだまだ残暑は厳しい。言い訳のように頭上では鱗雲が透き通り、もう秋だと主張していた。 放課後を俺はまた愛花と過ごしていた。この頃は帰りが一緒になると…

小説・「海のなか」(23)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 例の一件から、愛花は何かと俺に話しかけてくるようになった。俺はといえば、美しい猫が俺にだけ特別なついたかのような、幼い優越感を感じて日々を過ごしていた。実際、あの日から愛花の鋼鉄の扉はほんの少…

大人になったからこそ、描けるもの。

連載小説・「海のなか」について。 どうも。 クロミミです。 最近やっとこさ最新話を更新いたしました、連載小説「海のなか」。今回はこちらの作品を制作するに至るまでの話を少しだけしたいと思います。お付き合いください。 話を始める前に、まだ読んだこ…

小説・「海のなか」(22)

前話はこちら kuromimi.hatenablog.com 第七章 「追憶」 愛花と出会った時から、きっともう手遅れだった気がする。 今から思えばあれが、一目惚れというやつだったのかもしれない。もう昔すぎてよくは覚えてない。けれど、いくつかの場面が断片的に焼き付い…

読書の意義とは。

昔から、教育現場において 「読書をしなさい」 と言われる。 読書の効用とはなんだろうか。 これはいくつか挙げることができると思う。 まずは、文章の読解力が上がる。もしくは自分の知らない知識を知ることができる。または、知らない考え方を取り込むこと…

掌編小説・『死の明日』

液晶が青白く発光し、目を灼いた。 もう夜が深いーーー。 眩さにそう悟った。部屋の片隅からはラジオの微かな音が聞こえていた。音量を絞っているので、内容は聞き取れない。それで構わなかった。耳鳴りがしないのであれば。いつもは気にもとめない沈黙が、…

わたしが自己啓発本を読まない理由4つ。

自己啓発本を読まない4つの理由。 よく、自己啓発本を読む人を見かける。 見るたびわたしは思う。 なぜ読むのだろう? と。わたしはこれまで二十五年の人生の中でほとんど所謂「自己啓発本」と呼ばれる類のものを読んだことがない。 ここで言う自己啓発本と…

いつか、描きたい線がある。

いつか描きたい線がある。 昨日、バッテリーの表紙を模写していた。 あさのあつこ/著「バッテリー」だ。 思えば、この作品がわたしの人生に初めての佐藤真紀子との出会いをもたらしてくれた。 彼女の挿画を手にしたいがために、全巻ハードカバーで揃えたほど…

わたしと相対性理論。

透き通るような声に、価値観が揺らぐ。 クロミミと相対性理論 #クロミミ的音楽#クロミミと音楽 わたしが相対性理論と初めて出会ったのは、中学生の頃。 ラジオから流れてきた「恋は百年戦争」。一度だけ聞いたそのサウンドが忘れられず、TSUTAYAに借りに行っ…

詩・六月十四日

紫陽花が色づいて 産声を上げた この季節を愛せないまま 大きくなって 私はまた 好きと言う言葉が嫌い 一雫ごとに色を増す花 なんだか ずっと怖いの 綺麗すぎるから 綺麗 は 嫌い 責められているみたいで 雨の降る日は 綺麗な季節 綺麗になれないまま大きく…

小説・『海のなか』まとめ4

どうも。クロミミです。 今回は連載小説「海のなか」の(18)から(21)をざっくりとまとめていきます。お付き合いください。 いやはや。いつぞやこれからは更新頻度あげますとかのたまったアホはどこでしょう。ここです。 ほんまに有言実行のかけらもねえク…

小説・海のなか(21)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 座っているのにそれより深く、落ちて行くような感覚だった。わたしを支えるものが消えてしまった。 図書室はいつも静かだ。わたしの知る人は、誰も来ない。だからここにいる。いつだってそうだった。わたしの…

わたしとサカナクション。

理解できないものがあるって、素敵。 #クロミミと音楽 その4 わたしとサカナクション。 わたしがサカナクションを聴き始めたのは、多分中学の終わり頃。たしか、テレビか何かで「ミュージック」を知ったことがきっかけだった。 そんな入り口から入ったせいな…

わたしとキリンジ

#クロミミ的音楽 DNAに組み込まれたサウンド。 わたしとキリンジ。 キリンジといつであったのかはもう思い出すことすら不可能だ。 ただ、母が聴いていた事だけが確かで、それがきっかけだったのだろう。 気がついたら知っていて、気がついたら歌えるようにな…

詩・私の消失

わたしが散り散りになっていく。 あんなに拘っていたもの。 あんなに縋っていたもの。 すべて 遠くなって 大切なものがどんどん欠けていく。 毎日問われる。 「今日はどれを捨てるの?」 怖いと言っても 虚しいと言っても 逃れることのできない責苦。 でも、…

もっと見たことのないものを。

もっと見たことのないものを。 わたしとゆら帝。 #クロミミ的音楽語り わたしが通称ゆら帝ーーーゆらゆら帝国と出会ったのは、何年か前に「カルテット」というドラマを見たことがきっかけだった。(カルテットの脚本家は今季の「大豆田十和子と3人の元夫」と…

誰にも奪えないもの。

わたしがアジカンを好きになったのはいつだったろうか。それはきっと高校生の時。高校1年の夏だった気がする。 ある日唐突に甦ったのだ。 安っぽい羽根を背負って叫ぶ男たちの姿が。 それは紛れもなく、あの「アフターダーク」のPVの一部だったのだけれど。…

小説・海のなか(20)

前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 図書館の入り口近くはすぐカウンターになっていて、その真ん中にひっそりと男性の司書さんが腰掛けていた。頭には白髪が入り混じり、頬も心なしか痩けている。神経質そうな生真面目そうな面持ちが印象に残っ…

「好き」では足りない何か。

この間、ある人に あなたは本が好きなの。 と問われた。 その時、出てくるはずの「はい」は出てこなかった。言葉が口を離れる瞬間、これは違うと気が付いてしまったから。 「好き」では決定的な何かが足りない。 わたしは結局 「そんなこと、考えたこともな…