KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

詩・さみしいひとびと

ひとはみんなさみしい たとえ さみしいと 気がつかなくても だって私たち ひとりひとり違うんだもの さみしいを 愛する人もいる。 さみしいを 味わうひともいる。 さみしいってだめかしら。 わたしは さみしいが すきなのに ひとはみんな 恋しい 誰もが誰か…

詩・空洞の記憶

ある夜 音楽を聴いて歌っていると あの部屋の味がした。 かさかさと乾いたひとりの 贅沢な味が。 その時やっと思い知ったのだ。 『もうあの場所には戻れない』 同時に 虚しかった きっと私はすぐに忘れてしまう わたしはわたしの薄情さが憎かった。 けれど …

詩・自由との契約

私にとって過去は恥 私にとって過去は後悔の墓場 私にとって過去は振り返ることのできない何か 懐かしくはない、何か 私にとって未来はおそいかかる怪物 私にとって未来は未知の恐怖 私は未来に期待しない 私は今に全てを捧げながら 最高の生き方をただ求め…

詩・雨音

雨の音が染み込んでいった いつかの午後 わたしはひとりだった。 どこかでささやきのように ひっそりと喰べている雨を感じながら それまでわたしの中は騒がしかった。 雨声とはまた違って うるさく やかましく 際限がなかった 雨がすべてを喰ってゆく。 何も…

詩・行き過ぎしもの

大切なものは 一呼吸ごとに くすみを増して あの時の感情を もう取り戻せない どうしようもないほど 煌めいていた一瞬 あの一瞬を 買い取るために なけなしの稼ぎを費やして そう 本当に欲しかったのは これじゃない でもね あの快楽があの苦しみに見合うか…

詩・「春の長夜」

水の匂いがした 夜の匂いだ だれかがひんやり 運んできた 生温くない 春 花冷えはとうに過ぎて 花の色も青くかわる 街灯の灯は さめざめと降り 夜のしじまを 煌々と白くする わたしの鈍い歩みだけが刻まれた 曇天の夜 こんなにも冴えない夜なのに 夜の黒は美…

詩・「欲しい」

あの時味わった 幸福な味を 私は今でも忘れられないでいる あの味はどんな味だったかしら 時々 尋ねられることがある。 一体何がそんなに欲しいの、って そんなのわからない わからないけど欲しいんだもの 本当は欲しいものなんてないんでしょう、 なんてい…

詩・「あなた」

どこまでも続く海原を見ていると どこかであなたが シャッターを切る音がした これは あの時撮ったのかしら 気がつかなかった 砂浜を歩いた時の感触 今でも覚えているのよ あれは波がひいた跡 どこまでもうねりが続いていた 砂浜がきらきらかがやいていた お…

詩・「ちいさな不幸」

いつも 少しだけ不幸なんです なぜかしら お母さんが 思いきり褒めてくれたときも あの人が 力いっぱいだきしめてくれたときも 猫といつまでも 日向ぼっこしているときだって どこかわたしは不幸 でもわかっているの わたしを不幸にしているのは わたし わた…

詩・「愛を乞う」

どうして、と問わないでください。 わたしにはもうわかっている。 あなたが何を知りたいのか。 全てを明け渡せと言いたいのなら、 ただそこでみていて。 わたしはもう 知っているんです。 あなたもわたしも ろくでなしだってこと。 問うのは誰のためなのか …

詩・「今」

灰色の塵が 積もり積もって これからどこにゆくのだろう。 扉を開けるたびに思う。 明日は知らない明日がいい、と。 どうしようもない思いを 口にするのをやめにして 一体どれほど経つだろう。 いつになれば止むのかと 問いかけることもとうにやめた。 答え…

小説のようだという褒め言葉が嫌いだ。

よく漫画のレビューで、「まるで小説のようだ」という賞賛のレビューを目にする。 言っている人に罪はない。だが、何故か毎度無性に腹が立ってしまう。 何故だろう。 それはきっと言葉選びの安易さを感じてしまうからだ。 わたしは 小説のようだ=緻密で深い…

詩・「旅立つ日」

うみにどぷん、と溺れてしまったみたいに列車の窓は黒い。 みんなはまだ目覚めない。 此処にいるひと以外はみんな夢の中で溺れている。錯覚と実感の狭間で。 手につかんだものは全て霧散する。暗闇に塗りつぶされてしまうから。 この町の4時半をはじめていま…