どこまでも続く海原を見ていると
どこかであなたが シャッターを切る音がした
これは あの時撮ったのかしら
気がつかなかった
砂浜を歩いた時の感触
今でも覚えているのよ
あれは波がひいた跡
どこまでもうねりが続いていた
砂浜がきらきらかがやいていた
おぼえている?
あれは貝殻のかけら
わたしは何度も夢中になって
掬っては滑り落とした
さらさらとした心地よさを
心に縫いとめるように
ねえ
あなたにはどんなふうに
わたしが見えているの
何を想ってわたしを撮ったの
いつもはなんにも言わない あなた
わたしを愛おしんでくれる あなた
いつかきいてみたいけれど
きっとわたしには無理
だから ただ抱いていよう
このあたたかなものを