2020-06-20 詩・雨音 詩 雨の音が染み込んでいった いつかの午後 わたしはひとりだった。 どこかでささやきのように ひっそりと喰べている雨を感じながら それまでわたしの中は騒がしかった。 雨声とはまた違って うるさく やかましく 際限がなかった 雨がすべてを喰ってゆく。 何もかも すべて あとには何一つ残らないほど 雨が満たして 雨のささやきに耳を澄ましながら わたしはひとり 深く息をした