KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

詩・雨音

雨の音が染み込んでいった いつかの午後

 


わたしはひとりだった。

 


どこかでささやきのように

 


ひっそりと喰べている雨を感じながら

 

 

 

それまでわたしの中は騒がしかった。

 


雨声とはまた違って

 


うるさく やかましく 際限がなかった

 


雨がすべてを喰ってゆく。

 


何もかも すべて

 


あとには何一つ残らないほど 雨が満たして

 

 

 

雨のささやきに耳を澄ましながら

 


わたしはひとり 深く息をした