KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

大人になったからこそ、描けるもの。

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連載小説・「海のなか」について。

 


どうも。

クロミミです。

最近やっとこさ最新話を更新いたしました、連載小説「海のなか」。今回はこちらの作品を制作するに至るまでの話を少しだけしたいと思います。お付き合いください。

 


話を始める前に、まだ読んだことのない方の為に、簡単な「海のなか」のあらすじをご紹介。

 

 

 

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引っ込み思案で無口な少女、夕凪は幼馴染に誘われ、夏休みの海に出かける。遊びの最中、海で溺れた夕凪は海の底にて美しい少年、「青」と出会うのだった。青は昔から夕凪を知っているらしい。青との出会いによって、夕凪は大きく変わり始めて…。

愛と執着の境目を描く、青春群像劇。

 

 

 

(主な登場人物)

夕凪→主人公

青→夕凪のを昔から知る謎の美少年。

陵→夕凪の幼馴染

沙也→夕凪の幼馴染

愛花→高校からの沙也の友人

一馬→愛花の中学時代の友人

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 この「海のなか」という小説は、わたしが高校一年の夏に描いた同題の短編「海のなか」が元となっています。

 その頃文芸部に所属していたわたしは、その短編を部誌に載せるために書き下ろしたのでした。

 


実は、この短編を大幅修正したものがそのまま、長編としての「海のなか」の第一章になっています。短編っぽさが結構残ってると思うの。

 

 

 

 その当初、短編「海のなか」は当時の私が描いたものの中ではなかなか良い出来(あくまで当時の話。今読んだら蕁麻疹出るほど下手。視界に入れたくない)だったのです。だから、なんだか短編のまま終わらせるのは勿体無い、という思いがあった。

 


そんなこんなで、いつかこれを長編に仕立て直そう。と思ったのです。しかし、そこからが長かった。受験勉強は、小説の片手間でできるほど甘くない。というわけで、高校在学中は中学の頃から描いていた「β」という中編以外、長めのものは描かないという結果に終わりました。

 


でも、高校の頃、短編ばかり描いていてよかったかも。とも思います。いろんな文体を試せたし、いろんな作風を試せたから。短編は一文の比重が高いので文体を磨くのにはもってこいでした。短いから構成練るのも比較的楽だし。よかったなー。

 


そういえば、わたしが短編を描くようになったのは小学生の頃。

母が

「完結できないなら、短編描けば?」

 って言ったことがきっかけだったような。あれは、今から考えてみれば当たり前だが、やはり至言だったと言わざるを得ない。小学生のわたしは、話を書いては途中やめ、話を書いては途中やめ、を繰り返していたからな。母の言葉がなければ未だにかけなんだかも知れぬ。

 


 そんなこんなでなかなか長編に生まれ変われない「海のなか」ですが、こいつが長編になるのは大学1年の夏を待たねばなりません。

 


 わたしがなぜ、そこまで描けなかったか。それは、受験により、小説を書くことを絶っていたからである。個人的にしばらく小説を描かないと、その回路が閉ざされてしまって言葉がうまく降りて来なくなる。

 


一度閉じた回路を開くのに、わたしは約半年を費やしたのだった。

 

 

 

そんなこんなで、ようやく長編となりはじめた本作「海のなか」。

 


 実は今までに、一度完結しています。完結を迎えたのは大学3年の夏。あれは、秋葉原のカプセルホテルであった……。わたしは一人旅先で、ベットにうずくまり、この作品をひっそりと完成させたのでした。

 


この時点では、すべてノートに描いていました。これは高校時代からの癖。一度は必ずノートに描いていたのです。その頃はタイピングが遅く、指が思考について来ない、というのも大いにありました。いまでも、プロットを練るときは、万年筆で紙に描きます。その方がアウトプットがスムーズなので。

 


正直、大学3年の頃のわたしは焦っていた。なぜなら、ここで完結しておかねば、いつ完結が迎えられるかわからぬ!と思ったから。

 


なぜか。

 


4年になったら就活が始まるからだ…。

 


わたしの就活がいかに地獄だったかは、「クロミミの就活三部作」マガジンを読めばよくわかるであろう。

 


 そんなわけでいちおう完成はしたものの、クオリティーはイマイチ。感情の線は追えてないわ、唐突な展開は多いわ。ついでに似たような展開も多い。台詞は上滑りしてるわ。ああ、散々な出来よ。

 


そんなわけでなんというか、不完全燃焼もいいとこだったんでござる。

 


こんな出来だからこそ、わたしはこの小説を再び書き直すことになるのでした。

 


この書き直しは正直、大学4年の夏にスタートしてはいたのですが、本格的に始まるのは就職1年目の11月。

 


きっかけは、小説を描かないことによるストレスの噴出。そんなこんなで、わたしは「海のなか」の大幅手直しに着手することになりました。

 


まず選んだ舞台は、はてなブログ

 


誰かに見せる前提なら、頑張って書くやろ、という安易な考えからこの場を選んだ。

 

 

 

まー、誰も見んけれども。それでもわたしにとっては「誰でも見れる状況である」「この小説の更新を待っている人がいるかも知れない」という状況が大事。

 


これはなかなか功を奏しました。

 


「みんなに監視してもらって頑張ろう作戦」は今もなお継続中。

 


正直、手直しどころか屋台骨から破壊して作り直すレベルで描き直してるので労力半端ないです。

 


でも頑張れるのはこの作戦のおかげ。

 


そしてその次に選んだ舞台はnote。

 


現在は、はてなブログの過去記事や「海のなか」を少しずつアップしてます。新しい記事についてははてなブログと同時更新中。

 


でも、書くスピード遅すぎてそろそろ「海のなか」のストック切れそう。更新頻度急に落ちても見放さないで貰えると嬉しいです。

 


書き直してよかったなーと思ったのは高校生の頃より、そして大学生の頃より内面の深いところまで描写することができるようになったこと。25歳のいい大人になったわたしだからこそ、描けるものがあるな、と。

 

 

 

この物語は、わたしとほぼ真反対の人間を主人公に置いています。人間味の薄い彼女が僅かばかりの人間性を獲得するという話だと思ってみてもらえたらな〜と。(何が言いたいんだ貴様)

 


わたしと真反対の人間なので動かしにくいことこの上ないですが、がんばります。

 


わたしは彼女の心情を理解したくてこの小説を書いていると言っても過言ではない。一人の人間のように奥行きのある存在にしてあげることが目標です。

 


わたしは青も理解したい。この物語は青と夕凪の謎を解き明かす物語なのです。

 


 てか、陵も動かしにくくて困ってる。ナヨくてみんなに嫌われないかなって。でも、これくらい情けない子もいた方がいいと思うんだよ。でも可愛いうちの子なのです。どんなにダメで情けなくてもお母ちゃんがついとるからな。頑張って最後まで走るんやで。まあ、派手にこけても助けんけども。

 


正直、一馬は実際こんなやついねーよ。って思う。(描いといてそれはどうなん)あいつはわたしの助けとかいらなそうだよな。うん。

 


この作品を描く上で、正当に恋人と名がつく関係、友情と名がつく関係をあまり描かないようにしています。

 

 

 

現実でも、はっきりと関係に名前をつけることは難しいはず。無理に名前をつけようとした瞬間、壊れるものもある。わたしには実際そういう経験があります。

 


名前をつけた瞬間、その関係は嘘になってしまうような。

 


わたし自身と同じように不器用な登場人物諸君が、どのように関係性を紡いでいくのか。見守っていただければ幸いです。

 


ただいま、はてなブログでは最新話「海のなか」(22)を更新済み。近日中に23も更新します。noteにてご覧の方はわたしのホームよりブログへ飛んでみて下さい。今回は、一馬視点の過去の話を描いています。

 


一馬と愛花動かしやすすぎて困るわー。

 


そんなわけでまた今度。

 


ありがとうございました。