KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

学校図書館司書の仕事 その2 蔵書整理編

 

 

 

どうも。

クロミミです。

 


今回は学校図書館司書の一つのお仕事に絞って詳しくご紹介。

今回から少し専門的なお話になります。

 


なかなかどんな仕事をしているのか分かりづらい部分が多い司書という仕事。この機会に知っていただければ幸いです。

 

 

 

今回取り扱うのは「蔵書整理」

 


一口で言うと、蔵書を並べて整え、利用しやすくすること、です。

 


なんだただの整理整頓じゃねーか。と思ったそこのあなた。舐めてんじゃねぇぞ。

 


これが難しい。

そしてめちゃめちゃ大変。

 

 

 

どうして大変なのか、これから丁寧にご説明しましょう。(目を見開く)

 


さあ。この蔵書整理ですが、もちろん学校司書だけでなく公共図書館司書にも共通してある業務です。

 

 

 

では、学校図書館司書と公共図書館司書

 


なにが大きく違うでしょう。

 


それは、自分の裁量で決められる範囲が違う。この点が大きい。皆さんがイメージされる図書館を思い浮かべてください。どの図書館でも当たり前ですが、背表紙に書いてある「番号や記号」の順に並んでいることが少し見ればわかると思います。

 


すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、本の背表紙に貼ってあるシールに書いてある「番号や記号」はその本の大まかな内容を表しています。専門用語では「NDC」と呼びます。

 


例えばベタな例でいくと、

 


913 ア

 


これは日本小説文学に付与する背ラベルの内容です。

 


9→文学

1→日本文学

3→小説文学

 


といった具合。ちなみに「ア」は作者の頭文字を表しています。

この背ラベルをみて、司書は本を元の場所に戻し、管理しているのです。だからこそ、みたことのない本でも直ちに探し当てることができるのですね。

 

 

 

つまり、この背表紙のラベルを付与するところから、蔵書整理ははじまっていると言えます。

 

 

 

ここで一つの仮定をしたい。

 


例えばある学校図書館に学校システムが導入されておらず、かつ、月一しか司書が来ない状態が何年も続いたと仮定しましょう。(しかも毎年やってくる司書は変わる)

 

 

 

何が起こると思いますか?

 

 

 

背ラベルの付与が統一的に行えなくなるのです。

 


これは最も困る。なぜならこの背ラベルの内容をみて司書はどのように本を配架するか決定するのです。どこまでに3類(政治)の本を置いて、どこまでに2類(歴史)の本を置くか。当然ですが、決定しているのは学校司書自身です。

 


それなのに、背ラベルの内容がブレブレでは整理することすらままならない。統一的に背ラベルを付与することは急務であると言えます。

 


わたしは、図書システム導入の最大のメリットの一つはこの点にあると考えています。複数の学校を司書が兼務しているなら尚更です。

 


なぜなら、本の受け入れ処理を行う際に背ラベルを「マーク」と呼ばれる本の情報の集合体から自動で付与するようになるからです。

 


少し分かりにくい説明ですが、学校に図書システムを導入する(貸出をパソコンで行うようにする)と自動的に背ラベルのNDCも統一的に付与することができるようになる、とご理解ください。

 

 

 

また、システム導入のメリットデメリットについては後日お話ししましょう。

 


では、話の続きです。

 


仮にこのような過程を経て、背ラベルがきちんと一定の基準に基づいて付与されたとします。ここからやっと本格的に資料整理が始まるわけです。

 


NDCはざっくりと内容によって0から9の類に分けられます。

 


まずはこの九つの分類に全ての本を選り分ける。これがまあ、骨が折れる。

 


これが終わったら、今度は作者の名前ごとにあいうえお順に並べます。

 


このとき、「あ」の本を探すのではなく「あ行」の本をまず探す→そこからアイウエオ順に並べる→本棚に並べる

 


の作業手順が早くできます。参考までに。

 


全ての本が並べて終わったら、案内を作ります。特に九類。

 

 

 

ファイルに「913ア」などと書いた紙を挟み込んで、それを差し込むだけで案内は出来上がります。このような表示を作るだけで書架は格段にみやすくなります。

 


この際、

「戦争を扱った絵本」などは分けて置いておくとわかりやすいです。

 

 

 

さあ。

全ての本を並べ終わりました。

 


無論、これで終わりではありません。

 


この綺麗な状態をずっと維持し続けなければならない。毎日毎日並べ直し、整えて、外に出た栞(ひも)は中にしまい、倒れた本があればブックエンドで抑える

 


これを繰り返しながら、変えるべき点があれば変えてさらに使いやすい本の並べ方を目指す。

 


常に並べ直さなければ、本を探そうとした時容易に見つからなくなってしまいます。だって、あると思った場所にないんだもん。

 


もしも、あなたの学校の図書室で本が探しやすいとしたら、その裏には想像を絶するほど地道な司書の絶え間ない努力があるのです。

 

 

 

さて。いかがだったでしょうか。

 

 

 

以上の作業をたった一人で少なくとも5000冊以上ある本に対して行います。現在担当している学校のうち2校でこうした作業を行なっていますが、月に2回の来校のせいもあって半年経った今も終わらないのが現状です。

 


気が遠くなってきますよね。

 

 

 

でも、これが一番大切。そう思ったので、今回一番最初にお伝えしました。

 

 

 

次回もお楽しみに。