KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

掌編小説 「赤い唇の女」

ーーーこれは雨の呪いのようなものだ。 ガラス窓の中の女が微笑った。わたしは決して笑っていないのに。手を頬に触れるが、そこには僅か強張りすら感じなかった。 初めに気がついたのは水たまりだった。幼い日のある雨の午後。暇を持て余して水面を覗き込む…