学校図書館司書の仕事⑤
ブックトークについて。
お久しぶりです。クロミミです。
前回の記事で「図書の授業」について語ったわたしですが、今回はその中でも特にブックトークに焦点を当てていきたいと思います。
よろしくお願いします。
さて。
まずはこの問いから入りましょう。
「ブックトークとはなにか?」
ブックトークという用語についてご存知ない方もいらっしゃると思います。ブックトークとよく似た用語に読み聞かせというものがありますが、この二つの語句は関連性があるので、併せて説明していきましょう。
●読み聞かせ
絵本等をそのまま読んで聞かせる。全ての 内容を一度に読む必要はない。途中まででやめて引を強くすることも効果的。
●ブックトーク
自分の言葉で本の内容を説明すること。あらすじなどと共に、面白さや魅力を端的に伝える。
これら二つの行為は図書の授業の中で併せて行われることの多い行為です。ただ、一つ違うのはその目的。
読み聞かせというのは、対象者(児童)にとってハードルの高い作品に触れさせる手段。もしくは言葉の音感や語感などを鍛えるという目的があると考えます。詩の朗読などもこれにあたるでしょう。絵本などが適しているのもこのためなのです。
一方で、ブックトークは各学年の児童がまさに今触れるべき図書のあらすじや面白さを如実に伝えることで、実際に読書させることを目的としています。
このような違いがあるわけですが、ブックトークの場合事前にどのようなことを行っているのでしょう。
わたしの場合は、前日に1時間長ければ2時間かけて準備をします。20冊につき1時間程度でしょうか。
ブックトークの前日にできるだけ準備の時間を持つようにしています。この準備の間に何をしているのかといえば、ブックトークで扱う本の内容把握です。つまり全ての本に目を通すわけですが、この点には一つ注釈を付け加える必要があります。
それは、本を全部読む必要はないということ。小説や絵本であれば序盤の盛り上がり部分まで読みますし、それ以外ならパラ読みして概要を把握します。
この時に大切なのはその本の内容を要約して説明できること。そして、面白さを抽出し自分の言葉に置き換えられること。
なので、わたしかま司書として本を読む時には常に内容の要約とどのように相手に伝えるかを常に同時並行で考えながら読書します。
ただ読むのではもったいない。
読んで→思い出して→考える
のではなく本を読みながら一気に処理してしまうことで事前準備を短時間で終えることができるのです。
また、読みながら行うことでおもしろいと自分が感じた生の感情を掴みやすい、というのも利点です。そうすることでより、イキイキとブックトークを行うことができるのです。
そんなこんなで
準備が完了。当日になります。
当日は準備してきたものを出すだけです。
が、ここでいくつかポイントが。
その1 板書をすべし
ただ語るのではなく、板書して視覚支援を行いましょう。
例えば、
・外国の昔話を紹介(スーホの白い馬関連)→世界地図と題名を書いて、関連のあるもの同士を繋げて説明する。
・道具の移り変わりを見る→手紙、黒電話、ケータイ、スマホ、などの変遷を絵を描きつつ説明。(絵が下手でも結構ウケる)
など。
その2 挙手や発表などを入れることで、飽きにくくさせる。
挙手の場合は、〇〇を知ってる人〜などと問いかけると楽。知らない場合も、これから教えるからしっかり聞いててね!というと引き付けが強い。
発表の場合は、発表させつつヒントを小出しにすると、全然当たらなくてつまらないといったことが起こりづらい。当たった時はしっかり褒めること。
その3 兼務している場合(ひさびさにブックトークする)は、初めに必ず自己紹介とする。併せて司書という仕事についても簡単に説明する。
なんだかんだこれが一番大切。
なんか話し始めたけど、この人誰だっけ…といういらない雑念を出来る限り排除する。何者かよくわからない人の話を聞く気になる人はあまりいないはず。
司書という職業について知ってもらういい機会にもなるはず。
さて。こんな感じで普段ブックトークを行なっていますが、完全に自己流。元々ブックトークはこう行わなければという型はありません。雑談を交えることだってたくさんあります。
以下にして相手に覚えてもらうか、楽しませるか。
わたしはこの点に焦点化しています。
読書は楽しい!本の話は楽しい!と思って欲しいですからね。
他の司書の皆さんはどのようにブックトークを行われているのでしょうか。知りたいです。ぜひ教えてください。