KUROMIMIには本が足りない。

KUROMIMIには本が足りない。

活字がないとダメ系ヲタク。小説・音楽・詩・ときどき映画。自作の小説も書いてます。

詩・「欲しい」

あの時味わった 幸福な味を

私は今でも忘れられないでいる

 

あの味はどんな味だったかしら

 

時々 尋ねられることがある。

一体何がそんなに欲しいの、って

そんなのわからない

わからないけど欲しいんだもの

 

本当は欲しいものなんてないんでしょう、

なんていう人もいるわね

でも 欲しいの 

ほんとよ

 

私にとって生きることは 欲すること

愛が欲しい 罪が欲しい 心が欲しい

満たされないことが欲しい

私は欲望が欲しい

 

満たされるために満たされない

満たされてゆく時の虚無にも似たしあわせが

私を夢中にさせて

 

でも

ここは袋小路

そう気がついた時にはもう空っぽだった